じぶん更新日記

1997年5月6日開設
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 前期試験が行われた2月25日、岡大・南北通りは大勢の受験生で賑わっていた。送迎のバスや車により渋滞気味。キャンパスの東側(教育学部、工学部、環境理工学部、一般教育棟構内など)の会場で受験する場合は直行バスや自家用車送迎ではなく、JR津山線で法界院駅下車のほうが確実に到着できるように思う。


2015年02月25日(水)



【思ったこと】
150225(水)タバコがやめられない理由(5)まとめ

 講演会では、このほか、タバコに関するいくつかの俗説やトリックなどの話題も紹介された。

 まず、喫煙者のほうが自殺率が低いとか、喫煙していると認知症にならないといった俗説がある。各種データの中で都合の良いものだけを取り出せばそういう主張もできるが、それに反対のデータも多数ある。ここからは私の考えになるが、仮に喫煙者のほうが非喫煙者より平均で10年早く死亡すると仮定すると、そのぶん、高齢になってからの自殺率や認知症になる率は少なくなることはあり得るとは思う。要するに、タバコを吸わなければもっと長生きすることで、そのなかから、自殺したりや認知症になる人たちも出てくるが、高齢にならないうちにタバコを原因とした肺疾患などの病気で死亡すると、相対的にそれ以外の原因による死亡率は低下するというような現象である。【あくまで長谷川の推測】。

 次に、喫煙習慣は、実は子どもの習慣であるということ。講演で示された某県のデータによると、喫煙を開始した年齢は、18歳までで50%、20歳までで90%、28歳までで98%などとなっていた。法律上は20歳以下の喫煙は禁止されているのにもかかわらず、喫煙者の多くは、かなり若い時期から喫煙を始めており、そういう意味では、家庭内や中高校での禁煙指導が不可欠となってくる。なお、このことに関連して、「喫煙は大人になってから」という標語ではなく、「子どもの習慣である喫煙をやめて真の大人になりませんか」という標語のほうが実情を反映しているという見方があるようだ。

 もう1つ、ニコチン・タールを減量したタバコというのがあるが(かつてのマイルドセブン)、実際の量の調節は成分ではなく、紙巻きの途中の空気穴の数で調整されているとのことである。これは、タバコを機械的に吸引するという測定方法が国際的に決まっており、結果的に、途中の空気穴から漏れ出す分、吸い込まれるニコチン・タール量は減ることになる。しかし、タバコを持つ時に指で押さえれば含有量は増えるし、周囲に居る人たちへの副流煙の影響は全く変わらない。




 講演終了後には活発な質疑が行われた。だいたい以下のような内容であった【長谷川の記憶に基づくため不確か】。
  • 鬱状態にある人でもすぐに禁煙すべきか?
    →ドーパミンが放出されなくなるとさらに鬱状態が重くなる恐れもあるので、自己流で禁煙するのではなく、医師の指導のもと、ニコチン置換療法などを行う必要がある。
  • 50歳になってから禁煙する意味はあるのか?
    →何歳になってからでも意義あり。
  • 喫煙以外に楽しみが無い人はどうすればいいのか?
    →小さな目標を立てて達成する喜びを繰り返していくことが最適
 ということで今回の講演についてのメモ・感想はこれで終了とする。今回の講演の中でも指摘されていたように、「喫煙の自由」というのは実はうわべ、まやかしの自由であって、喫煙者は実はタバコによって操られているだけであり、「喫煙しない自由」を奪われている人たちに過ぎない。「タバコを吸うことで唯一解消できるのはニコチン切れのストレスだ」と言われているように、タバコを吸う人は、吸いたいから吸うのではなく、吸わないとストレスになるからそこから逃れるために吸っているのである。いくらタバコの健康被害を訴えたとしても、「喫煙の本質はニコチン依存という脳の病気」であり「喫煙者はニコチンモンキーに操られている」ことを自覚してもらわない限りは、なかなか禁煙には進めないのかもしれない。