じぶん更新日記

1997年5月6日開設
Copyright(C)長谷川芳典



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 開花が始まった梅の写真を撮っていたところ、チャミノガの羽化殻を見つけた。この時期に羽化するとは思えない。昨年の殻がそのまま残っていた可能性、ヒメバチが寄生していた跡などが考えられる。



2015年02月15日(日)


【思ったこと】
150215(日)オックスフォード白熱教室(22)無限の大きさとゴールドバッハ予想

 第4回の最後のところでは、無限と未解決問題の話題が取り上げられていた。

 まず、無限に関しては、

●自然数の無限よりも大きく、無理数の無限より小さい無限は存在するか?

という問題が紹介された。もっともこれについては、ゲーデルの研究をたどると、YESが答えになるような数学の体系も、NOとなるような数学の体系もどちらも作れるそうである。

 素朴に考えると、
  • 自然数それぞれに対応した平方根に円周率を加えた集合
  • 無理数の集合から円周率を除いた集合
などは上記の答えになるのではないかと思ったりするが、どうやらそう単純ではなさそうだ。このほか、
  • 体積無限大で濃度1%の食塩水
  • 体積無限大で濃度2%の食塩水
ではどちらが食塩(塩化ナトリウム)が多いかという問題も浮かんだが、分子の個数は加算的であるからして、数学で言う濃度の考え方ではいずれの濃さの食塩水も可算無限集合になってしまうように思える【未確認】。




 番組の最後のところではさらに、未解決問題の1つとして、

●4以上のすべての偶数は2つの素数の和で表すことができる

というゴールドバッハ予想が紹介された。

 ウィキペディアによれば、この予想は、2012年現在、4×1018までの全ての偶数について成り立つことが、コンピュータによって確かめられているという。また、一般化されたリーマン予想が正しいならば、弱いゴールドバッハ予想が導かれることが知られているという。

 興味深いのは、素因数分解では一意性があるのに対して、上掲の「2つの素数の和で表すことができる」の場合は、2通り以上の素数の和で表せる場合があるということだ。じっさい、
10 = 7 + 3 = 5 + 5
14 = 3 + 11 = 7 + 7
16 = 3 + 13 = 5 + 11
18 = 5 + 13 = 7 + 11
20 = 3 + 17 = 7 + 13
などが挙げられている。このことからみて、素因数分解を応用したRSA暗号と異なり、素数の和を応用した暗号というのは実用性がなさそうにも思える。

 いっぽう、偶数の中に、1通りだけの素数の和で表される偶数と、2通り以上の素数の和で表される偶数があるということは何か特別な意味があるのだろうか。...と思ったが、大概の偶数は2通り以上の素数の和で表されるようで、偶数の n に対し、2つの素数の和で表される表し方の数はこちらのグラフのような分布になることが分かっている。【Goldbach's comet参照。】

 少々脱線するが、以下のような話題もなかなか興味深い。

次回に続く。