じぶん更新日記

1997年5月6日開設
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 津島北キャンパス・国際交流会館前のナンテンの紅葉。霜に当たると紅葉するという正室からオタフクナンテン(お多福ナンテン)のようだ。この品種は普通のナンテンと異なり赤い実をつけない。


2015年01月15日(木)

【思ったこと】
150115(木)オックスフォード白熱教室(4)円の最小分割問題?

 昨日の続き。

 相変わらず「オックスフォード白熱教室」の内容から完全に脱線してしいるが、これを機会に、円の最大分割問題に関連するいくつかの問題について考えてみることにしたい。

 まず、元の問題の「最大」を「最小」に置き換えてみるとどうなるだろうか。
円周上にn個の点をとり,円周上のすべての点どうしを直線(弦)で結ぶ。これによって分割される領域の数は、最小いくつになるか?(いくつまで減らすことができるか)。


 とりあえず、点が3個、4個、5個の場合について実際に図を描いてみると、図1〜図3のようになる。

 ここで注目すべきことは、点の数が順にn=3、4、5の時の領域の数はそれぞれ4個、8個、16個であって、これ以外にはあり得ないという点である。なぜなら、
  • n=3:円周上の3点はどこに配置しても三角形を作るので、領域数は、三角形1つとそのまわりの3個で合計4個
  • n=4:円周上の4点はどこに配置しても四角形を作り、かつ対角線が結べる。よって領域の数は四角形内側に4個、外側に4個で合計8個
  • n=5:五角形の場合、対角線は5本結べるが、1つの交点で3本の直線が交わることはない。もし3本の直線が交わるとすると、円周上の6個の点がなければならず、n=5に反するためである。
 次に6個の点を配置(n=6)の場合で、領域数をできるだけ少なくする方法を考えてみる。すぐに思いつくのは、上掲の図4のように、まず円の中に適当に点Qをとり、Qを通る直線3本が円周と交わった点をP1〜P6とする。Qで3本の直線が交わることから、交点の総数は2つ減ることになる。点が7個の時は、この図4の円周上にもう1個加えても、交点が減った部分はそのまま保存される。

 図5と図6は、10個の点を配置(n=10)の時の交点を減らす方法である。図5では、円の中の点Qを通るように5本の直線を伸ばすやりかたで、この時は、ほんらい5本の直線から作られる10個の交点(5C2)が1つに減るので領域数の削減効果が大きい。図6は、円内の2箇所Q1とQ2で3本の直線が交わるため、それぞれ2つ、合計4個の交点を減らすことができる。

 点の数(n)が偶数の時は、円内の1点Qを通るようなn/2本の直線を引いて円周に達したところに点を配置すれば、おそらく領域は最小となるはずだが、Q以外でも3本以上が交わる可能性があり、領域の数がいくつまで減らせるのかは確認できていない。なお点の数が奇数(n+1)の時は、今述べた偶数nの配置をした上でもう1個の点を加えればよいのではないかと思う。

 ということで、円の最小分割問題自体は、あまり面白そうな発展はなさそうだ。但し、円周上の点によって作られるn角形(もしくは、凸n角形)の対角線において、最大いくつ(もしくは何カ所)まで多重交点を作れるのかという問題はそれなりに興味をひく。

 なお、ネットで検索したところ、正n角形の対角線の交点数についての考察がこちらにあった。単なる凸n角形の対角線の交点数であれば、最大値はnC4であるが(4つの点の選び方の組合せ数と同じ)、正n角形となると、多重交点が発生するのでそう簡単ではないそうだ。さらには

「正奇数角形の異なる任意の3本の対角線は多角形の頂点以外の1点で交わることがない.」

のほか、上掲と同じこちらのリンク先には
また,nが6以上の偶数の場合は必ず多重交点が存在します.多重度は最大でも7を超えないことが確認されていて,6重点以上はnが30の倍数でないと出現しません.
と記されていたが、円の中心では多重度はいくらでも増えるはず。ここでいう「多重交点」というのは、おそらく、中心以外で発生する多重交点のことと思われるが私の頭では理解できなかった。

 次回に続く。