じぶん更新日記

1997年5月6日開設
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 津島東キャンパス南東端の環境整備工事の進捗状況。1月7日掲載写真に比べると、かなり進んでいるが、まるで遺跡発掘現場のような風景。いったい何が造られるのだろうか?


2015年01月12日(月)

【思ったこと】
150112(月)オックスフォード白熱教室(1)「1,2,4,8,16,31」と言えば...

 昨年12月に再放送されたNHKオックスフォード白熱教室の一部を録画再生で視た。

 まず、第1回では数学とは何かについて、数学とは、コンピュータにとって代わられるような計算の学問ではなく、何らかのパターンや法則を見つける学問である、というようなことが論じられた。その手始めとして、

いくつかの数列について、次のにどういう数が来るかを当てるという問題が提示された。その中でも特に興味深い数列は、

1 2 4 8 16 

であった。ふつうこの問題では「32」が正解とされてしまうが、「31」であっても答えになるというのが興味深いところであった。「31」になるというのは、円の上の点を1つずつ増やしていき、すべての点どうしを直線で結んだ時の領域の数であり、n=6の時、つまり円周上に6個の点を置いたときに分割される領域の数が31になるというのであった。

 ちなみに、n個の点を置いた時の一般式は、

領域の数=(n4−6n3+23n2−18n+24)/24

となる。ここでは「数学においてはいつだって驚くべきことがおこりうる。だからエキサイティングな学問なのだ」という例示として紹介されていた。

 ここで念のためお断りしておくが、有限個の数列を示して次にどういう数が来るかという問題には、決して、これだけが正解というものはない。上掲の場合で、仮に□の中に30を入れても、33を入れたとしても、nを用いた一般式を作ることはできるし、それも無限に可能である。であるからして、有限数列の次にどういう数が来るのかを問うような小学校入試問題や知能テストの数列問題は、厳密に言えば、無数にある答えのうち、一般常識的な解答だけを正解にしているにすぎない。上掲の例でも、入試で「31」と答えた人はおそらく不正解とされ、その失点が合計点に影響して不合格になるということもある。

 さて、元の数列の話に戻るが、記憶を蘇らせてみると、私自身にとっては、円の分割問題というのは高校時代に興味を持っていた問題の1つであり、今回が初耳というわけではなかった。その頃考えたことを思い出してみると、まず、

●なぜ円でなければならないのか? (楕円ではダメなのか? 平面上にn個の点を置いてすべての点の間を直線で結んだ時にできる領域の数に対応しているのではないか?)

といった素朴なギモンがあった。

 これについては、平面上にn個の点を任意に置いた時には、3点が直線上に並んだり、4個の点のうち2個ずつを結ぶ直線が平行になったりして領域の数が変わることがある。円周上に配置する限りは、そもそも3点が直線上に並ぶことはないし、また、4点のうち2個ずつを結ぶ直線が平行になっていても(例えば正方形を内接させるような配置)領域の数は減らない。こういった点からみて、条件を簡潔にする意義はあると思う。

 では円ではなく楕円とすると何か不都合が起きるのか? これについては深く考えたことが無かった。

 次回に続く。