じぶん更新日記

1997年5月6日開設
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 文学部中庭のメタセコイアの落葉が作る模様。昨年同様、樹の右側(東側)に日本列島の形のような模様を作るが、昨年と比較してみると、必ずしも同じ形にはならないようである。



2014年12月24日(水)

【思ったこと】
141224(水)エコノミストの予想は当たるか?

 12月25日朝のモーサテで、「モーサテ大反省会」をやっていた。昨年12月下旬の日経平均や為替相場の予想がどの程度当たっていたのかを検証するという企画。今回は、マネックス証券の広木さん(株価)と、JPモルガン・チェース銀行の佐々木さん(為替相場)が出演されていた。

 このうち広木さんは、1年前には日銀の追加緩和が2013年4月頃に行われるのかどうかによって2通りの予想をしており、緩和があった場合は6月頃と10月頃に日経平均2万円近い2つの山ができる、緩和がなかった場合は9月頃に14000円台まで落ち込むが、年末には18000円になるという予想であった。実際の値動きは9月頃までは14000円〜16000円のレンジで推移、10月にいったん落ち込んだあと日銀の追加緩和で18000円前後で着地した(12月24日の終値は17854.23円)。着地点はピッタリであったが、それまでの推移はかなり外れていた。自己採点では70点。

 いっぽう、為替相場担当の佐々木さんは、1年前には、110円を超えるような円安にはならないだろう、ドルはそんなに通貨にはならないだろうと予想していたが、11月頃から急激に円安が進み、年末には120円前後の大幅安となった(12月25日朝の時点で120円)。こちらも自己採点は70点。

 いかに熟達したエコノミストであっても、諸外国の政情などの外部要因や自然災害、突発的な事故などは予測できない。そういう意味では、けっこう当たっていたというか、専門家でもこの程度までしか予想できないことが示されたとも言えそうである。

 来年あるいはそれ以降についても、いろいろな予想が出されている。1つは、いまがちょうど、30年来の推移とは質的に異なる転換点に来ているという見方。そうなると、さらに一段の円安となってり、株価のさらなる上昇ということも起こりうるようである。

 反面、今の株価や円安は、日銀による国債買入れ、あるいはETF買いなどによる官製相場という指摘もある。いくらなんでも、無限に買い入れることはできない。またそのことによる想定外の激変もありうる。エコノミストの予想に頼らないほうが良さそうだ。

 ちなみに、モーサテとは別の番組の中で、エコノミストの予想がどの程度当たるのかを評価した研究というのを紹介していた。あくまでうろ覚えであるが、長期的な予想ということになると、どのエコノミストであっても予想が当たる確率は殆ど差がないそうである。

 いっぽう、短期的な予想においては、著名なエコノミストのほうが比較的大胆な予想をするらしい。すでに名声を得ているため、予想を外しても地位を失うことはない。いっぽう、まだ、あまり名を知られていないエコノミストの場合は、どうしても、多数派の平均値的な予想に迎合しがちであるという。そのほうが、予想を外しても保身をはかれるからである。