じぶん更新日記

1997年5月6日開設
Copyright(C)長谷川芳典



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 12月16日(火)の岡山は朝から昼過ぎにかけて雨が降り、積算降水量は9.0ミリとなった。その後は、強い季節風が吹き荒れ、最大瞬間風速は19.9メートルに達した。17日朝も引き続き、強い風が吹いている。

 写真は朝の時計台前。岡大七不思議の1つ、「落ちないアメリカフウ(モミジバフウ)」はまだまだ葉をつけているが、その後の強い風で殆どすべてが落葉するものと思われる。


2014年12月16日(火)

【思ったこと】
141216(火)日経電子版読まれた記事ランキング(4)限定、割引、ポイントのトリック

 今回は、12月6日から12日までに日経電子版読まれた記事ランキングの中の、

第9位 「ポイント5倍」で財布のヒモが緩む落とし穴 第21回 数字のトリック

について。昨日まで取り上げたいた数学ネタと異なり、こちらは心理学ネタと言える。

 記事では、「■限定7割引き、■本日ポイント5倍、■2着目1000円」というトリックについて分かりやすい解説がなされていた。

 このうちの割引のトリックは、心理学では、アンカリングの1つとして知られている。絶対値では高すぎるような商品でも、隣にもっと高い比較商品が並べられていたり、本来何の根拠も無い正札より割引がなされていると、ついつい「お得」だと思ってしまう。

 「期間限定」も同様である。そのときに買わないとあとで値上がりするように錯覚してしまうが、たいがい、その「期間」が終わっても、「好評につき期間延長」になったり、場合によってはさらに値引きの大きい、次の「期間限定」が始まったりする。値引きが本当に信頼できるのは、毎日訪れているスーパーのようなところで、賞味期限切れ間近の商品が通常価格より安く売られているような場合に限られていると思う。

 私自身は、この「期間限定、今回特別に2点合わせて同じ値段」などというタイプの宣伝が大嫌いである。なので、衛星放送でよく流されるショッピング番組は絶対に視ないし、民放番組を視る時はいったん録画して、CM部分を完全にカットしたあとでから視ることにしている。私のような偏屈な消費者ばかりであれば、ああいうCMは殆ど無意味、というか反感をかわれるだけだと思うが、毎日たくさん流されていて、それで儲かっている通販業者がいる以上、それにつられる人も少なくないということなのだろう。

 ちなみに、本日朝、テレビのスイッチを入れた時には「個数限定。このCMをご覧になってから30分以内にお電話いただいた方に限り.....」というCMをやっていた。しかし、そのCMは実際には、毎日、しかも何度も流されている。30分以内限定と言っても、結局は、一年中同じ値段ということではないか。そんなことにひっかかって電話する人がいるのが不思議でならない。

 次に「ポイント5倍」の話題だが、これは結構、私も影響されてしまう。岡山では、ホームセンターや大手スーパー、また、地域生協でも同じようなセールをやっていることがあるが、1回の来店で2000円程度しか買わないとすると、ポイント還元分は100円につき1ポイントとしてもトータルで20ポイント(20円分)にしかならない。となると、車で往復するガソリン代のほうが高くついてしまう。このことで最近思うのだが、大手ディスカウントスーパーまで車で買い出しに行く時には、往復のガソリン代と所要時間もコストに含めて判断するべきある。徒歩圏内の店のほうが明らかに割高であったとしても、1000円程度の買い物であれば結果的に近い店で買ったほうがお得になることもある。

 ちなみにポイント付与というのは一種のトークンであり、ポイントがたまると得をしたように思ってしまうが、実際には財布からお金が失われていく際のわずかの還元分にすぎない。5%値引きでも、5ポイントセールでも損得は変わらないのだが、値引きよりはポイント付与のほうがお得であるように錯覚してしまう。値引きの場合、値引きの額をいつも記録している几帳面な人で無い限りは、1ヶ月にいくら得をしたのかは実感できない。いっぽう、ポイント付与の場合は、ポイントの合計額が表示されたり、スタンプで可視化されていくため、累積的結果の効果が現れやすいからである。

 記事では取り上げられていなかったが、このほか気をつけなければならないのが、クレジットカード払い、あるいは、電子マネーによる支払いである。現金の支払いの場合は、財布から紙幣やコインが消えていくため、買い物をすればするほどお金が無くなっていくことを実感できるが、クレジット払いや電子マネーではそのことに気づきにくい(しかも、利用に応じたポイントがつく)。節約の必要が生じた時は、まずは現金払いに徹するべきであろう。