じぶん更新日記

1997年5月6日開設
Copyright(C)長谷川芳典



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 12月1日より、「HAPPY」岡山大学バージョンが公開された【直リンクはこちら 音声注意!】。
森田潔学長をはじめ、学生、教職員ら約300人が出演。「2人の学生が、森田学長に会いに行く」というストーリーで、学内の楽しい雰囲気が伝わる映像になっています。いちょう並木や中央図書館の時計台、鹿田地区のJホールなど、学内のさまざまな魅力的スポットも登場します。映像時間は4分。公開期間は来年11月30日まで。
という趣旨である。私も同僚(←この人も出演している)に懇願されて出演したのだが、こいつはいったい何者だ?という印象は否めない。



2014年12月02日(火)

【思ったこと】
141202(火)原油安の直接効果と間接効果

 経済問題には全くの素人の私であるが、毎朝、朝食をとりながらモーサテを見ている関係で、経済情勢に関しては日々の情報に接することができている。

 そんななか、最近注目すべき話題の1つが、原油安である。12月2日16時現在(現地時間)によれば、NY原油は66.88ドル/バレルまで下落。こちらの日足チャート(5ヵ月分)を見ると、7月下旬までの100ドル台からほぼ直線的に右肩下がりの下落が続いている。

 通常、商品の価格は需給関係によって決まるものだが、今回の下落はこれ以外の目論見もあるらしい。1つは、米国のシェールオイルとの競争である。こちらの記事によると、原油価格80ドル割れなら米シェールオイルの3分の1が採算割れになるという。埋蔵量が豊富な産油国であれば、このさい、減産をせずに安い原油をどんどん売っておいたほうが、シェールオイルの開発を遅らせる効果をもたらし、結果的に、中長期的な国益にかなうという目論見があるのかもしれない。

 しかし、原油安が続くことは、米国のシェール革命に打撃を与える以外にもいろいろな波及効果をもたらす。まずは、産油大国の1つであるロシアに経済的な打撃を与えることである。実際、こちらのチャートによると、ロシア・ルーブルは一本調子で下落を続けており過去最安値を更新しているという。このことは、ロシアの国内経済にとどまらず、政治や、日ロ関係を含めた外交にも大きな影響を及ぼすであろう。

 いっぽう米国では、シェール革命には打撃となるものの、ドル高と原油安のダブルメリットによって、燃費の悪い高級車の購買意欲が高まっているとか。このことは間接的に、燃費の良い日本車の販売を不振に陥らせる可能性がある。

 では、日本経済に関してはどうかと言えば、現状では、急激な円安が進んでいるため、原油安のメリットはあまり生じていない。とはいえ、本来、円安のもとで急上昇するはずのガソリン価格がむしろ値下がりしているという恩恵はある(こちらのグラフ参照)。つまり、上がるべきはずのものが上がらないという点で、相当程度の効果をもたらしていることは間違いない。

 ちなみに、ガソリン価格は消費者物価にも影響を及ぼす。しかし、他の商品と異なり、金融政策だけではコントロールできない。金融政策でコントロールできないものが含まれている指標で、金融政策の効果を議論したり今後の方針を決めるというのはナンセンスだという指摘もあるらしい。

 さて、以上は、人間の目先の利益に及ぼす効果であるが、いちばん気になるのは、原油安によって化石燃料の消費が増大し、地球温暖化に拍車をかけることにならないのかという問題である。昨日公示された総選挙においても、残念ながらこのことは主要な争点にはなっていないようだ。