じぶん更新日記

1997年5月6日開設
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 文学部西側の空き地で、飛んできた種から成長したカイノキ(楷樹)の紅葉が見頃となっている【写真左端の黄葉】。時計台横(図書館前)のカイノキがメス樹で種をいっぱいつけており、ここ数年、講義棟南側の空き地、文学部周辺でも、そこから飛んできた種によるものと見られる実生の若木が殖えている。なお、時計台横のカイノキは赤く紅葉するが、ここに生えているものは黄色になっている。黄葉するカイノキは、津島西キャンパス東側ゲート近くに生えているが、写真の場所からは相当離れており、直接種が飛んでくるとは考えにくい。なぜ赤色ではなく黄色になっているのかは謎である。



2014年11月27日(木)

【思ったこと】
141127(木)家計調査とは何か

 11月28日のモーサテで、家計調査とは何かについて解説があった。

 ウィキペディアの当該項目にも記されているように、この調査は全国約4,700万世帯の中から、約9,000世帯を抽出して調査する標本調査。戦後、GHQの命令により「消費者価格調査」として始まり、その後、収入も調査できるように改正した「消費実態調査」(1951年11月)となり、1953年4月からは名称が現在の「家計調査」になった。

 標本調査ということなので我が家も指名を受ける確率がゼロとは言えないが、これまでのところ一度もそのような依頼を受けたことはない。ネットで検索したところ、家計調査の依頼を受けた何人かの方がブログにその経緯を記しておられた。

 さらに、総務省統計局の概要を調べてみると、抽出方法はかなり厳正に行われているようだ。謝礼は月々2000円程度。

 面倒だからという理由で拒否するとどうなるのかということだが、統計法をざっと閲覧してみると、次のような条項があることが分かった。
  • (実地調査)
    第13条 統計官、統計主事その他指定統計調査に関する事務に従事する者及び統計調査員は、指定統計調査のため、必要な場所に立ち入り、あらかじめ総務大臣の承認を得た事項について、検査をなし、調査資料の提供を求め、又は関係者に対し質問をすることができる。この場合には、その職務を示す証票を示さなければならない。
  • (罰則)
    第19条 次の各号の一に該当する者は、これを6箇月以下の懲役若しくは禁錮又は10万円以下の罰金に処する。
    一 第5条の規定により申告を命ぜられた場合申告をせず、又は虚偽の申告をした者
    二 第5条の規定により申告を命ぜられた調査につき申告を妨げた者
    三 第13条の規定による検査を拒み、妨げ、若しくは忌避し、調査資料を提供せず、若しくは虚偽の調査資料を提供し、又は質問に対し虚偽の陳述をした者
    四 指定統計調査の事務に従事する者又はその他の者で指定統計調査の結果をして真実に反するものたらしめる行為をした者
 この文面を厳密に解釈すると、家計調査の依頼を受けた家庭が正当な理由なしに受諾を拒むと、「6箇月以下の懲役若しくは禁錮又は10万円以下の罰金」に処せられるというから大変だ。もっとも、この罰則規定は事実上形骸化しているという記事もあった。

 単なる消費動向調査であれば、一般家庭ではなく小売段階で調査しても結果は同じになりそうな気もするが、モーサテによれば、この調査が始まった戦後の混乱期はヤミ市が多かったため、ヤミ市から食料品等を購入する実態を調べるには、家庭対象とする必要があったという。ま、今でも、ネット上の個人取引、実家からの野菜を送って貰うといった、小売を経由しない調達方法も皆無とは言えないので、偏りのない家計調査が行われているのであればそれなりの資料的価値はあると思われる。

 もっとも、仮にサンプリングが公正に行われたとしても、その集計結果が日本全体の家計を反映しているとは直ちには言えない。このあたりは心理学の授業でも使えそうなポイントになるが、
  • 家計調査に協力して家計簿を記入すること自体が、消費内容を変えてしまう恐れ。それまで大ざっぱにムダ買いをしていた家庭では、家計簿をきっちりつけることで節約が行われるかもしれない。
  • いくら調査拒否はできないと言っても、現実には、いろいろな理由を並べ立てて協力をしない人たちも居るはず。となると、無作為抽出とはいっても、結果的に、几帳面で継続性のある人たちだけの回答を集計している可能性がある。

 なお、ネットでさらに検索したところ、こちらに「家計調査の性質と課題」という発表資料があり、その中でさまざまな問題点や改善提案がなされていることが分かった。