じぶん更新日記

1997年5月6日開設
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 岡大西門から眺めるアメリカフウ(モミジバフウ)の紅葉。写真下のように、モミジ越し(フラッシュ使用)に眺めることもできる。



2014年11月20日(木)

【思ったこと】
141120(木)沖縄県の長寿王国神話

 昨日の続き。

 複数の講演・口頭発表で、表記の話題が取り上げられた。

 沖縄県と言えばかつては長寿王国として知られていたが、最近はそれを返上せざるを得ない事態になっているようだ。念のため、ネットで検索したところ、こちらに「都道府県別 平均寿命ランキング 平成25年公表」があり、沖縄県は、男性は79.4歳で第30位、女性は87.02歳で第3位となっていた。女性に関してはまだまだ長寿王国と言えるが、男性は相当に順位が低い。

 少々脱線するが、リンク先の「教えて!全国ランキング 2014  〜都道府県ランキング 日本の統計〜」には、他にも、いくつか参考になりそうなリストがあったので、以下に引用させていただく。
  • 都道府県別 平均年齢ランキング
    →沖縄県は平均年齢39.1歳で、最も若い。47位は秋田県で47.1歳。
  • インフルエンザ様疾患発生報告 (平成22.10.24 - 平成23. 2.26)
    →沖縄県は患者数507で全国最少。
  • 一番幸せな県 幸福度ランキング
    →沖縄県は5.2で41位。1位は福井県で7.23


 もとの話題に戻るが、都道府県各地の長寿度を健康管理に役立てるためには、単に順位ばかりでなく、絶対値、死亡原因、世代別の健康度なども分析する必要がある。

 今回拝聴した講演の中では、いくつか参考になるデータが紹介された。

 まず、沖縄県は、肝疾患による死亡率が全国1位となっており、これはアルコール摂取が主原因であるという。しかし、慢性閉塞性肺疾患(COPD)による死亡率も沖縄は男女とも1位であり、これはタバコが主原因となっていると言わざるを得ない。昨日も述べたが、沖縄県は、アメリカによる占領・統治の時代に、タバコの製造・販売や未成年者への指導という面で他県とは異なった形で喫煙習慣が形成された可能性があり、それらの世代が高齢化してくると、COPDによる死亡率がさらに上がってくる恐れもある。また、こちらの資料にもあるように、平均余命の順位は40歳以下で悪くなっている。

 このほか、別の講演では、NTT電話帳をもとに集計したラーメン店、焼き肉屋、回転寿司店の数などのデータも紹介されていた。外食産業の規模や内訳の推移は、沖縄県民の食生活の変化をある程度反映しているとも言える。

 長寿神話とは直接関係ないが、沖縄県では、子どもの生活習慣にもいくつか問題があるという。都道府県別のランキングによると、
  • 朝食摂取率 44位
  • 夜10時前の就寝 43位
  • 規則正しい就寝と起床 最下位
  • 親子の会話時間、夕食を一緒に取る率 最下位
  • 虫歯の数 1位。最も少ない新潟県の4倍。
など、あまりよろしくないデータが並んでいた。また、これも沖縄県の事情を反映していると思われるが、車による登下校率が高く(←鉄道が無い、基地周辺での治安など?)、居酒屋での外食、過度の課外活動(←スポーツでは沖縄県のチームがよく活躍するが、過度な練習は学習時間にマイナスとなる)なども指摘されていた。

 その後、ネットで検索したところ、以下の資料が大いに参考になることが分かった。