じぶん更新日記

1997年5月6日開設
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 一般教育棟の中庭で、出入りの園芸業者さんが樹木の剪定をしていた。顔なじみの親方に、「芝生養生中・立ち入り禁止」はいつまで続くのか尋ねてみたところ、芝生自体は根付いているがまだまだ隙間がある。隙間に足が挟まると剥がれる恐れがあるので、芝生のことだけを考えればまだまだ続くであろうとのことだった。なおこの親方によれば、ここの芝生は道路工事の関係者が植えたため、隙間が空きすぎている。専門の園芸業者だったらこういう植え付けはしないということだった。



2014年10月16日(木)

【思ったこと】
141016(木)43年後の「小さな恋のメロディ」

 10月12日にBS日テレで放送された、

小さな恋のメロディ

を録画再生で視た。この映画は1971、私が大学1年目の時に公開された映画であり、すでに43年が経過している。リンク先のウィキペディアによれば、
アメリカでの公開は英国公開に先立つが、ヒットにはならなかった。イギリスでは散々叩かれた。デビッドとアランを救ったのは、『小さな恋のメロディ』と題された日本での大ヒットだった。

日本での人気は非常に根強く、40年近く前の作品であるにも関わらず、2012年現在でも定期的にオリジナル・サウンドトラック盤が欠かさず生産され続けている。また、2010年開催の「午前十時の映画祭 何度見てもすごい50本」上映作品選定の参考のため、2009年10月に一般から募った投票では、第8位となる人気をみせた。
と記されており、中高年層ではまだまだ根強い人気があるようだ。もっとも、先日、学生たちに尋ねてみたところでは、誰もこの映画のことを知らなかった。いずれ忘れ去られていくのだろうか。

 ちなみに、午前十時の映画祭のTOP10は、以下の通りとなっている。
  1. ショーシャンクの空に 
  2. サウンド・オブ・ミュージック
  3. ニュー・シネマ・パラダイス
  4. フォロー・ミー
  5. 風と共に去りぬ
  6. ローマの休日
  7. スタンド・バイ・ミー
  8. 2001年宇宙の旅
  9. 【8位タイ】小さな恋のメロディ
  10. E.T.
私自身はこのうち、「サウンド・オブ・ミュージック」、「ローマの休日」、「2001年宇宙の旅」、「小さな恋のメロディ」の4作品しかちゃんと観ていないが、その中では「小さな恋のメロディ」はいちばん印象深く、何度観ても楽しい。私がこれまでに観た映画の中でも、5本の指に入る名作品だと思っている。

 ウィキペディアに記されているように、この映画の当時の評判は「アメリカでの公開は英国公開に先立つが、ヒットにはならなかった。イギリスでは散々叩かれた。」とされている。ウィキペディア英語版でも「Although the film was a box office disappointment in both the United States and Britain, it turned out to be an enormous hit in Japan, and in some Latin American countries such as Argentina and Chile.」と記されていて、日本以外で評判が良かったのは南米の一部の国に限られているようだ。

 イギリスでなぜ「散々叩かれた」のかは、当時の批評記事を読まないと何とも言えない。もっとも、教育、宗教、道徳に厳格な人たちが観れば、映画の内容はイギリスの初等教育を冒涜するものだとの批判が起こりそうな気はする。また、世界各地で爆弾テロの犠牲者が出ている現代においては、映画のラストで車が爆破されてしまうようなシーンは、冗談では済まされないと批判されるかもしれない。

 もっとも、型にはめようとする伝統教育、あるいは親たちの過度な干渉に対する子どもたちの反発を象徴的に描いたフィクションであると受け止めれば、この作品の価値は大きい。また、1971年当時は、まだまだ反戦運動や活発な時代であり、古い体制を打ち破ろうとする雰囲気にあふれており、当時の日本の若者に爽快感を与える展開であったようにも思う。

 また、イギリスのパブリックスクールがあの映画で描かれていた通りなのかどうか、日本人には分からないので、その分、本当に起こりそうな話に見えてしまう。イギリス国内であれば、あんな学校などあり得ない、けしからんという批判が生まれてしまうのかもしれない。

 いずれにせよ、あの映画から43年が経過し、世の中は大きく変わってしまった。主人公の1人、マーク・レスター(1958年生まれ)は、あの映画のあとも子役として活躍していたが、28歳の時に俳優を辞め、その後、父が経営するレストランで働き保育園に勤めた後、整骨師の資格を取得し、現在はチェルトナムでcarlton clinicという病院を開いているそうである。また、ヒロインのトレイシー・ハイド(1959年生まれ)もいくつかの映画やテレビに出演したが、現在は3人の子供の母親として静かに暮らしているという。
英語版には、
In 1994, Japanese TV sought out Tracy and sent one of their reporters to the UK to find her. Mark Lester was contacted and when it was found that Tracy had moved to France, Mark and the reporter both went there to search for her. She had moved there with her husband and her three sons. In 1999, Mark and Tracy were reunited again in another Japanese TV special. Tracy has since re-married and has returned home to London where she now manages the family business, a kennel boarding service. Tracy's adopted sister, Zara, can also claim fame as an elite athlete and was awarded the OBE (November 2010) for her significant contribution to British sport.
という、より詳しい情報が記されていた。

 もう1人の「主人公」とも言えるジャック・ワイルドは、私と同じ1952年の生まれであったが、2006年3月1日に、口腔癌のため53歳で亡くなっている。【2006年3月3日の日記に関連記事あり。】

 なお今回、この記事を書く際に、ウィキペディアを参照していて新たに知ったことが2つあった。

 1つは、ジャック・ワイルドさんの身長が164cmであって、私よりも3〜4cm高かったということ。私と同じ年齢ではあっても遙かに童顔に見えていたため、身長はもっと低いと思っていた。

 もう1つは、「トロッコに乗り彼方へと去るラストシーンではマーク・レスターは他の映画の撮影スケジュールの都合で参加せず、コーネリアスと云う男の子が代役で演じている。」 という裏話である。今回録画した映像を念入りに視たが、彼方へ去るシーンは相当程度カットされていたこともあり、何度観ても判別できなかった。

 あと、こちらのデータベースに、Goofsとして
Daniel's cello playing bears no relation to the soundtrack at c.45 minutes.
という記述があり、さっそく当該シーンを再生してみたところ、確かに、左指の動きと音声が対応していないことが分かった。

 マーク・レスターもトレーシー・ハイドさんもすでに俳優業を引退しているということなので可能性は全くないが、ダニエルとメロディが70歳をすぎてから高齢者施設に入居し、そこで、子ども時代を回想しながら新たな騒動を起こすという映画ができたらさぞかし面白いだろうと思う。