じぶん更新日記

1997年5月6日開設
Copyright(C)長谷川芳典



07月のインデックスへ戻る
最新版へ戻る
 文法経グラウンド隅に出現した「キノコ人間」。このキノコは毎年出現しており、キクメタケかムラサキホコリタケと推定される。


2014年7月1日(火)

【思ったこと】
140701(火)長谷川版「行動分析学入門」第10回(10)嫌子出現の随伴性による弱化(10)刺激弁別(1)
 好子出現の随伴性と同様、嫌子出現の随伴性においても刺激弁別が行われます。すなわち、
  • 刺激Aのもとで行動すると嫌子が出現
  • 刺激Aが存在しない時に行動しても嫌子は出現しない
という経験を繰り返すと、刺激Aが存在している時に限って、当該行動の頻度が減少します。また、刺激Aが存在しない時は、当該行動は一定レベルで生起し続けます【←すでに何度も述べているように、弱化の対象となる行動は通常、別の随伴性で強化されています。強化されていない行動は滅多に自発されないため、弁別学習も形成されません。】

 具体例を挙げると、
  1. 高速道路でパトカーが走っているとスピードを落とす。パトカーという弁別刺激が無ければ、制限速度をオーバーして走ることがある。【←あくまで交通違反なのでイケマセン】
  2. 文法経講義棟周辺で長谷川の見回り中はタバコを吸わない。【←長谷川が見回ることのできない夕方以降や、授業のため見回りができない時間帯には吸い殻ポイ捨てが目立ちます。】
  3. 猫が「フーッ」とうなっているときには手を触れない。【←これは、猫が怒っている状態なので、ヘタに手を出すとひっかかれたり噛みつかれたりします。】
 上記1.〜いずれの場合も、まずは当該行動が別の随伴性で強化されていることが前提です。1.の制限速度オーバーはイケナイことですが、早く目的地に着くということで強化されていますし、2.の違反喫煙は、ニコチン依存者にとっては禁断症状からの回復ということで強化されています。また3.は、猫好きの人限定であり、通常は猫を撫でることが癒やしとなることで強化されています。

 嫌子出現の随伴性において、刺激弁別は、環境適応の上でも重要です。すでに述べたように、世の中は危険に満ちています。嫌子が出現するような行動とは、危険な事態を招くような行動であり、再び過ちを犯さないように弱化させることが適応的と言えます。しかし、あらゆるリスクを避けて「何もしない」のでは、食物を獲得することさえできず、飢え死にしてしまいます。野生の動物が、リスクを承知の上で巣穴から這い出て餌を探し回るように、我々人間も、日々、事故や災害や犯罪のリスクを承知の上で外出します。適切に刺激弁別ができるということは、リスクを回避しながら適応上必要なオペラント行動を遂行し続けるという点できわめて適応的と言えるでしょう。

次回に続く。