じぶん更新日記

1997年5月6日開設
Copyright(C)長谷川芳典



06月のインデックスへ戻る
最新版へ戻る
 6月25日の夕刻、北福利施設(マスカットユニオン)前で岡山大学エコナイト2014という催しが行われた。写真は日中の準備風景。


2014年6月25日(水)

【思ったこと】
140625(水)長谷川版「行動分析学入門」第10回(8)嫌子出現の随伴性による弱化(9)嫌子の「変身」

 嫌子は一般的には苦痛、不快、恐怖を伴うものであり、「我々が接触を最小にしたいと望むものである」というようにも定義されています(杉山ほか, 1998, 30頁)。しかし、その効果は多元的であり、時として好子に「変身」することさえあります。

 例えば、私は、月に1回程度、日帰り入浴施設を利用していますが、その中でもサウナと水風呂がお気に入りです。しかし、サウナ風呂というのは、乾式の場合、室温は80〜100℃も達しており、長く入れば入るほど苦痛を感じるほどに汗が出てきます。また、そのあとに入る水風呂は、施設によっては水温が15℃以下で、手足に痛みを感じるほど冷たいところもあります。しかし、もし、サウナの高温や水風呂の低温が嫌子であるとするなら、わざわざお金を払って入浴施設に出かける人は居ないでしょう。もちろん、健康増進効果という大きな好子を獲得するために、敢えて我慢しながらサウナと水風呂の交代浴を繰り返す人もおられるでしょうが、私自身は別段、修行をしているつもりはなく、サウナから水風呂、水風呂からサウナへの移動の直後のリラックス感、さらにお風呂から上がったあとの爽快感が大きな楽しみとなっています。つまり、サウナや水風呂に入浴している際のある時点は嫌子でしょうが、交代浴全体としての変化は好子になっているように思われます。

 このほか、ジェットコースターなどの絶叫マシンに乗りたがる人がいますが、乗っている最中は恐怖の連続です。しかし、乗り終わってしばらくすると、逆に気分がよくなると言われています。わざわざお金を払って乗りに来るわけですから、絶叫マシンは好子として機能していると言わざるを得ません。

 こうした「嫌子の変身」は、アドレナリンなどの脳内物質の分泌に関係していると言われています。ついでながら、好子や嫌子の特徴は、ドーパミンやセロトニンの分泌と大きく関連しています。【こちらの記述参照】。但し、好子出現はドーパミンが多いレベルと大きく関係しているのに対して、嫌子とドーパミン、セロトニンのレベルは多元的になっているようです。

 次回に続く。