じぶん更新日記

1997年5月6日開設
Copyright(C)長谷川芳典



05月のインデックスへ戻る
最新版へ戻る

 本部棟南側の花壇が、パンジーからペチュニアに植え替えられている。公共花壇というのは、2週間程度で終わってしまう花ではなく、いつ訪れても咲いているような花期の長い花が好まれるため、けっきょく、毎年、「冬はパンジー、夏ペチュニア」という完全二期制が定着してしまった。公共花壇としてはこれで良いのだろうが、イマイチ季節感が乏しい。


2014年5月13日(火)

【思ったこと】
140513(火)長谷川版「行動分析学入門」第6回(3)好子出現の随伴性による強化(10)習得性好子と付加的随伴性の効用

 前回までのところで、好子を
  • 好子の質:何らかの経験を必要とするか(=習得性好子)、必要としないか(=生得性好子)
  • 好子の伴い方:第三者によって付加されるか(=付加的随伴性)、自然に伴うか(=自然随伴性)
というように分類してきました。

 原始時代【正式には「先史時代」、「原史時代」...】においては、人類はもっぱら、生得性好子と自然随伴性によって強化され、生き延びてきたと考えられます。これに対して、価値が多様化し、コミュニティ内での交流が活発化した現代社会では、習得性好子や付加的随伴性が大きな意味を持っています。

 例えば、衣食住の基本は生得性好子ですが、現代社会では、「衣」はファッション、「食」はグルメ、「住」はリゾートマンションやインテリア、というように習得性好子として機能している割合が高まっています。しかし習得性好子は、他の好子に支えられて成り立つものなので、何とかして好子としての機能を失うまいと、テレビのCMのような様々な宣伝活動が行われています。

 コミュニティの中ではまた、付加的随伴性が重要な役割を果たしています。原始時代であれば、食糧の調達はもっぱら狩猟や採取、さらには農業に頼っていました。そうした時代では、労働は大部分、自然随伴性によって強化されています。いっぽう現代社会においては、労働は第三者から付加された好子(感謝の言葉、金銭的報酬、表彰など)によって強化されています。労働は、どれだけ獲物が捕れたかとか、畑からどれだけの収穫があったのかといった自然随伴性ではなく、第三者がどれだけの好子を提供してくれるのかによって強化されるようになっています。

 このように、習得性好子と付加的随伴性は、現代社会には不可欠な存在になっています。そのため、幼い時から、社会的に望ましいモノや出来事が習得性好子として形成されるように家庭、地域、教育環境を整えることが重要です。例えば、
  • 「感謝の言葉」は、相互の協力や助け合いの中で習得性好子として形成されていきます。誰からも援助されず、自分自身も人助けをしないという人にとっては、「ありがとう」という言葉は習得性好子としては全く機能しません。
  • 「達成」が習得性好子になるためには、努力の積み重ねが成功体験となるような機会を増やし、また、自然随伴性だけではなかなか達成できないような状況では、付加的随伴性によって補完的に強化していくことが必要です。
  • 社会的に望ましい行動に対して適切に「注目」を随伴させる必要があります。そうでないと、いたずらや犯罪が「注目」によって強化されるようになってしまいます。
 習得性好子と付加的随伴性は、高齢者の生きがいにとっても重要です。歳をとるにつれて、身体機能が衰えてくるため、若い時と同じように行動しようとしても、自然随伴性だけでそれが報われるチャンスが減っていきます。そういう時には、第三者が好子を付加したり、自然随伴性による結果がうまく伴うようにサポートする必要があります。但しそれはあくまで、当事者の行動がうまく強化されるようなサポートでなければなりません。当事者の行動機会を奪ってしまって、代わりに結果だけを与えるというのは真のサポートにはなりません。例えば、駅で券売機の使い方が分からなくて困っている人が居た場合、(当人がそう望んだ場合は別として)代わりに切符を買って差し上げるというのは余計なお節介になります。その方がご自身でお金を入れて、ボタンを押して、目的値までの切符を手に入れるという「行動→結果」が適確に遂行されるように、その機会を奪わない範囲でお手伝いするというのが真のサポートであると言えます。

次回に続く。