じぶん更新日記

1997年5月6日開設
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 4月1日からの敷地内全面禁煙にともない、岡山大学内にあった指定喫煙所はすべて閉鎖された。写真上は文化科学総合研究棟近く、写真下は、文法経1号館と2号館の間に設置されていた喫煙所。3月31日17時をもって閉鎖という張り紙が残っているだけであり、灰皿は撤去されていた。
 いずれも喫煙所もかなりの利用者があり、4月1日以降の動静が気になるところである。


2014年4月1日(火)

【思ったこと】
140401(火)岡大の敷地内全面禁煙、いよいよ4月から(6)敷地内全面禁煙の論理(5)岡山大学における敷地内全面禁煙導入の経緯

 岡山大学では、2003年10月に「岡山大学における受動喫煙防止のための指針」を定め、2004年4月より医学部・歯学部・病院などを含む鹿田キャンパスでは敷地内全面禁煙、またそれ以外のキャンパスでは建物内を全面禁煙にする等、学内の受動喫煙防止に努めてきた。しかしこのような対応では不十分であると感じている学生・職員も多く、さらに入学時0.5%の男子学生の喫煙率が卒業時には約10%と大幅に増加し、喫煙学生の多くが大学生活で喫煙習慣を身に付けているという現状が指摘された。【津島地区における受動喫煙防止対策に関する提言書−津島地区から受動喫煙を無くすために− 岡山大学・津島地区安全衛生委員会、2011年1月31日】

 これと前後して、2003年5月に健康増進法が制定施行され,その後,2010年2月に厚生労働省から新たな受動喫煙防止対策の方向として「公共の場では原則として全面禁煙すべきである」との方針が打ち出され,今後,取り組みを分煙から全面禁煙へ促進することが求められた。そして、2013年2月に学長名で2014年4月1日より敷地内全面禁煙が実施されることを予告し、看板やポスター掲示による周知徹底、指定喫煙所の段階的削減を行った。2014年4月4日現在、大学の公式サイトの中の大学紹介ページでは「重要なお知らせ」3件のうちの1件として、「岡山大学敷地内禁煙の実施について」という以下のメッセージが掲載されている。
本学は,平成26年4月1日から敷地内禁煙を実施することを決定しました。津島など全ての地区で,建物内だけでなく,屋外も含め学内は禁煙となります。
 高等教育機関であるとともに,多くの人々が集う公的機関であることを踏まえ,タバコの煙のない快適な教育環境を確保し,喫煙による健康被害から学生,職員,市民の皆さまの健康を守るため,受動喫煙防止対策を推進することとしました。
 今後,喫煙所を段階的に削減し,学生・教職員への喫煙防止教育の実施や禁煙支援,広報などを通じて,敷地内禁煙に向けた活動を行っていきます。ご理解とご協力よろしくお願い致します。
【本件問い合わせ先】安全衛生部保健衛生管理課 企画調整グループ

 また、各キャンパスの主要な門(車が出入りする門)の脇には平成25年2月付けの森田潔学長名で、
お知らせ
敷地内全面禁煙の実施について
岡山大学は、平成26年4月1日より敷地内禁煙を実施します。
岡山大学は、高等教育機関であるとともに、多くの人々が集う公的機関であることを踏まえ、タバコの煙のない快適な教育環境を確保し、喫煙による健康被害から学生・職員並びに市民の皆さまの健康を守るため、敷地内全面禁煙に向けた活動を行っています。
ご理解とご協力を頂けますよう、よろしくお願い申し上げます。
という予告看板が設置され、岡大西門守衛所や講義棟などの建物周辺には、指定喫煙場所以外での喫煙禁止と記されたポスターが掲示された。
 なお、これらの予告看板は、実施2週間前の2014年3月17日に、「キャンパス内全面禁煙」と大きく書かれた看板やポスターに取り替えられた。

 以上の、岡大の掲示内容における全面禁煙の論拠は、教育機関および公的機関であることと、副流煙防止という目的を論拠にしていることが分かる。但し、これは、掲示という性質上、不特定多数向けに簡潔で分かりやすい論拠のみにとどめたという可能性もある。上掲の2003年10月「岡山大学における受動喫煙防止のための指針」において「入学時0.5%の男子学生の喫煙率が卒業時には約10%と大幅に増加し、喫煙学生の多くが大学生活で喫煙習慣を身に付けている」という問題点が挙げられていることからみて、「新たな喫煙習慣を身につけさせない」とか「禁煙サポートのためには、喫煙を促進する喫煙場所を提供するべきでない」といった論拠も敷地内全面禁煙の目的に含まれていることが示唆される


次回に続く。