じぶん更新日記

1997年5月6日開設
Copyright(C)長谷川芳典



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 2月15日夜と2月16日朝の月。今回の満月は2月15日午前08時53分となっている。なお、今年は4月までは、日にちと月齢が±1の範囲で一致する。2月15日21時の月齢は15.6。


2014年2月16日(日)

【思ったこと】
140216(日)コミュニティで創る新しい高齢社会のデザイン(5)研究開発領域とアクションリサーチの意義

 小宮山先生の基調講演に続いて、秋山弘子・領域総括(東大高齢社会総合研究機構特任教授)より、研究開発領域の概要について紹介があった。

 まず、この取り組みで目ざす社会像としては、
  1. 自立期間(健康寿命)を延長し、アクティブシニアが活躍できる場を創る
  2. 住み慣れたところで日常生活の継続を支える生活環境を整備する
が基本となっており、移動・交通安全、生活支援、孤立・孤独解消、医療・介護、生涯教育などさまざまな分野について、要支援・要介護から健康という横軸に併せて、さまざまな研究プロジェクトが配置されていた。従来型の総合研究では、ともすると採択されたプロジェクトに予算を丸投げで配分して、終了時に簡単な報告会や報告書作成でつじつまを合わせるというパターンがありがちであったように思うが、ここで紹介された取り組みの場合には、総括、アドバイザー、RISTEX(社会技術研究開発センター)スタッフが直接、実施地域を訪問したり、他プロジェクトからの参加による連携をはかるといった、統合型の推進が行き届いているような印象を受けた。

 そんななかで特に興味をひいたのは、科学的な手法として、アクションリサーチを重視しているという点であった。アクションリサーチというと、研究分野によってはまだまだ科学として認知されていないところがあり、この方法を用いた論文を投稿しても学会誌で認められなかったり、博士論文執筆が困難という現状があった。今回、アクションリサーチの入門書を出版し、研究者のみならず、各種学会の論文査読者にも読んでいただくということで、伝統的な実験、調査とは異なる、新しい研究方法が普及していくものと期待される。

 なお小宮山先生の基調講演が予定時間をオーバーしていたため(←想定内だそうだ)、秋山・領域総括による概要説明はその分、短めにまとめられていた。

次回に続く。