じぶん更新日記

1997年5月6日開設
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 日本心理学会第77回大会の会場となった札幌コンベンションセンター周辺の風景。「地下鉄東西線「東札幌」駅より徒歩約8分」と案内されてあったが、徒歩で通うのは大変だった。大雨にならなかったのが幸い。

 なお、新千歳空港からは、JR快速で新札幌駅下車。そこから地下鉄を利用するのが一番早そうであった。


2013年09月21日(土)

【思ったこと】
130921(土)日本心理学会第77回大会/ロールシャッハについて新たに学んだこと(1)

 表記の大会が、9月19日から21日まで、札幌コンベンションセンターとその隣接施設で開催された。今回は、種々の用務の関係で1日目の11時過ぎに会場に到着、3日目の夕刻に新千歳発という短い日程であり、もっぱら個人発表を拝見するのみで、シンポジウムやワークショップにはあまり参加できなかった。

 そんななか、ロールシャッハテストに関するチュートリアルワークショップがたいへん勉強になったので、備忘録を兼ねてここにメモしておきたい。

 ちなみに、ロールシャッハテストについて私が勉強したのは、学部3回生〜大学院MC1回生の頃であった。私は文学部の学生であったが、当時教育学部のほうで、「テスト実習」という基礎と応用の実習が開講されており、他学部履修という形で受講させてもらったことがある。基礎のほうでは、さまざまな心理テストの一環としてロールシャッハが紹介され、また応用のほうでは1年間かけてケースを集めるというような内容であったと記憶している。但し、応用のほうは、けっきょく、途中まで聴講させていただいただけで単位はとれていない。ということもあって、ロールシャッハについては、スコアの付け方の基本を学んだ程度で、以来40年近く、全く別の世界に過ごしてきたことになる。

 今回知ったこととしては、まず、ロールシャッハテストに関する研究の発展が4期に分けられるということであった。【以下、長谷川のメモのため不確か】
  • 第1期:方法論として確立するまで
  • 第2期:鑑別診断のためのロールシャッハ。特定のグループの特徴を区別。
  • 第3期:心理モデルによる個人のパーソナリティ理論。
  • 第4期:「専門家のための研究のための」テストからの脱皮。治療に使えるアセスメントへ、。相手を「わかる」という作家の質的転換。共同作業の意義。ブリーフセラピーに近い。

 ということで、現在は第4期であり、包括システム(comprehensive system)が主流となっているとのことであった。

 ウィキペディアのリンク先にもあるように、ロールシャッハテストについてはいろいろと批判もあるが、臨床心理士の資格認定には依然としてロールシャッハの学習が必須とされているという。日本では、日本ロールシャッハ学会のほか、包括システムによる日本ロールシャッハ学会というのがあるが、別段対立しているわけではなく、前者が後者の学会の20回記念大会を後援しているという記載もあった。なにはともあれ、90年以上前に亡くなったヘルマン・ロールシャッハに由来する固有名詞が冠せられた学会がいまなお活発に活動されており、あの10枚の図版が少しの変更も加えられることなしに守られ続けているというのはそれだけでもスゴイことだと思う。

 次回に続く。