じぶん更新日記

1997年5月6日開設
Copyright(C)長谷川芳典



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 環境整備工事の一環として重機で取り壊された、一般教育棟構内のヴィーナス像。
  • 写真1番目:取り壊し直前のヴィーナス像。これが、私のカメラに残る最後の写真となった。6月28日早朝撮影。
  • 写真2番目:取り壊されたヴィーナス像。
  • 写真3番目:上の拡大写真。うつぶせの状態と思われる。まるで惨殺された遺体のように変わり果てていた。
  • 写真4番目:重機のシャベルについたヴィーナス像の白セメントの一部。




2013年06月28日(金)

【思ったこと】
130628(金)変わり果てたヴィーナス像を悼み、人生の儚さを実感する

 昨日の日記で、岡大・一般教育棟構内(津島東キャンパス)にある通称ヴィーナス池が消滅したと書いた。そのさい、池の中にあった通称ヴィーナス像については「今後の工事計画のことはよくわからないが、ヴィーナス像のほうも近日中に撤去(保管? 移設?)されるものと思われる。」と呑気なことを書いていたのだが、28日の夕刻に現場を訪れてビックリ、なっなんと、ヴィーナス像は、重機で一撃のもとに引き倒され、惨殺遺体化してガレキの中にうつぶせに横たわっていたのであった。

 この像については、そもそもどなたの作品で、いつ頃からどういう経緯でここに設置されているのかが不明であった。写真上にもあるように、確かに芸術作品としてはイマイチで習作であるような気もするが、私が岡山に赴任した20数年前からこの場所にあって、雨の日も風の日も、夏の強い日照りのもとでも、寒風吹き荒ぶ冬の寒さのもとでも、一糸まとわぬ姿で立ち続け、私たちを見守ってくれていた。この像については、芸術的にイマイチということもあって、学生のあいだで話題になることは殆ど無かったと思うが、聞く話によれば、厳冬期に、ハダカでは寒かろうとマフラーがつけられたり、また、ウーマンリブが盛んだった頃には女性の裸を見世物にするのはケシカランということで服を着せられたというような逸話を耳にしたこともあった。

 いずれにせよ、芸術的にはどんなに駄作と見なされたとしても、長年にわたって人目にふれる場所に設置されていた作品というのは、設置者や作者の意思を離れて、多くの人との関わりをつくるものである。設置者や作者が不要であると判断しても、重機の一撃で壊してしまったよかったのかどうかは疑問が残る。

 もっとも、私のほうも、まさかこの像が壊されるとは夢にも思っていなかった。事前にそういうことを知っていれば、保存の嘆願書くらいは出したと思う。あるいは、事務サイドと、工事施工者のあいだで何らかの行き違いがあったのだろうか。

 ま、とにもかくにも、このヴィーナス像は、復元不可能なくらいに惨殺遺体化してしまった。何だか、その日の朝元気だった知り合いの突然の訃報に接したような気分である。しかし、考えてみれば、私もすでに還暦を過ぎ、定年退職まで4年9ヶ月を残すだけとなってきた。何が起こるかわからない世の中である。朝元気だった私が、その日の夕方にはこういう変わり果てた姿になることは十分にありうることで、この出来事を通じて人生の儚さをあらためて実感した。




 以下、変わり果てたヴィーナス像を悼み、過去日記の中からいくつか思い出の画像を再掲する。
【2013年3月27日】ヴィーナスの上を辛夷の花が舞う2013年版
 「楽天版じぶん更新日記」掲載。過去写真もあり。
【2013年1月27日】満月の夜の「岡大観音」と「氷上のヴィーナス像」
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 満月を背景に1月27日の夕食後の散歩時に撮影した「岡大観音」と、翌28日早朝に撮影した「氷上のヴィーナス像」。「岡大観音」については、2011年5月31日の日記参照。ヴィーナス像の由来は依然として不明。但し、最近得た情報によれば、このエリアは4月以降に大規模な環境整備工事が行われ、芝生植栽等による「桜広場」に生まれ変わるとのこと。このヴィーナス像が撤去される可能性もありそう。

【2012年10月1日】ヴィーナス像もお月見。
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 10月2日の早朝はよく晴れ、月齢15.8の月が明るく輝いていた。写真は一般教育棟構内(津島東キャンパス)のヴィーナス像と月。なお、十五夜の日の岡山後楽園でのお月見風景が楽天版にあり。



【2012年1月10日】満月とヴィーナスと「衝撃を受ける画像」
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 満月とヴィーナスと「衝撃を受ける画像」。楽天版の1月8日1月9日に写真を掲載したように、この季節の満月は赤緯が北に片寄っているため、長い時間空に輝いている。写真は、1月10日の早朝の散歩時に撮影した月とヴィーナス像(一般教育棟構内)。満月が明るすぎて輪郭がぼやけるのを避けるためフラッシュを使用した。同じフラッシュ撮影でも「通常発光+スローシャッター」(スローシンクロ)モードにすると、手ぶれのため、満月や周辺の街灯が稲妻のように写り、写真下のような稲妻で衝撃を受けた画像になってしまう。

【2010年4月9日】桜の花びらに包まれるヴィーナス像
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 大学構内のソメイヨシノは早くも散り初めとなってきた。写真は4月6日の日記にも掲載した、おなじみの一般教育構内の「ヴィーナス像」。水面にも桜の花びらがたくさん浮かんでいる。多少気になるのは、像に向かって右奥のカゴに芝コンの残りと思われるゴミがたくさん詰め込まれていること。

【2010年4月6日】夜桜とヴィーナス像
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 3月22日の楽天版に「ヴィーナスの頭上を白い蝶が乱舞する風景」(一般教育棟構内)の写真を掲載した。コブシの花のほうはだいぶ色あせてしまったが、代わりに、満開のソメイヨシノのおかげで、ますます華やかな夜景となっている。なお3年ほど前より、一般教育棟構内では「芝コン」が禁止された(2007年4月3日の日記参照)。それまでは桜の下で夜遅くまで宴会をやるグループがあり、飲酒事故やゴミの散乱や近所迷惑などの問題が指摘されていた。現在は、ほぼ無人の夜桜となっている。