じぶん更新日記

1997年5月6日開設
Copyright(C)長谷川芳典



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 来月に行われる「日本行動分析学会 創立三十年記念事業記念シンポジウム」の会場下見と打ち合わせのため、名古屋まで日帰り往復した。学会等で何度か訪れたことはあるものの、栄や名古屋駅前周辺を歩いたことは殆ど無く、どれも初めての光景であった。かつて、名古屋駅のホームから南東側の方向に「大名古屋ビルヂング」という建物があり、名古屋弁では「building」のことを「ビルヂング」と発音するのかと思っていたが、今回すぐ近くを通ったところでは、新ビルへの建替工事が進んでおり、すでに「ビルヂング」の看板は見られなかった。もっとも建替後も「ビルヂング」という表記になるらしい。



2013年06月22日(土)

【思ったこと】
130622(土)人間・植物関係学会2013年度大会(7)口頭発表(3)ハンドアルママッサージの効用/高齢者施設における各種アクティビティの比較

 昨日の続き。

 午前中、重度認知症および緩和ケアにおけるハンドアロママッサージの効用に関する研究発表があった。ちなみに、代替医療では、医薬品まがいの健康食品や、種々の民間療法について効用が検討されているが、さまざまな検証によりその大部分は「根拠が明確でない」、さらに一部については「副作用の可能性あり」と結論されている。そんななか、アロマセラピーやアロママッサージについては、一定の効果が認められており、さらなる分析が求められているとのことであった。なお、ここでは、対象者(施術を受ける側)ではなく、施術者側にとっての効用が検討されていた。疲弊しがちな看護・医療に関わる人たちにっとっての効用を論じたという点はまことに興味深い。

 次に、高齢者施設における各種のアクティビティ(音楽、絵手紙、書道、陶芸、園芸)を比較し、QOLの向上、運動効果、コミュニケーション、発話それぞれについて観察記録をとり、施設職員にとってどの活動が最もやりがいになるのかといったことを検討した興味深い発表があった。そして、それらのアクティビティの中では、園芸活動が施設職員にとっても精神面で最も有効なアクティビティであることが示されていた。
 もっとも、ダイバージョナルセラピーの考え方から言えば、各種のアクティビティを実施するといっても、バラバラで統一性に欠け、目標もはっきりしていないということでは、あまり意味が無い。やはり、利用者各位のニーズをしっかり把握した上で、「目的をもった遊び」として導入・実施することが必要であろう。そういう利用者本位の視点からアクティビティに取り組むのであれば、それが何であっても楽しくできるはずだ。要するに、ダイバージョナルセラピーでしばしば言われるように、「施設や医療設備やスタッフがどんなに立派であっても、そこにいる人が楽しんでいなければ意味が無い」ということである。

次回に続く