じぶん更新日記

1997年5月6日開設
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 文学部耐震改修工事二期分の竣工間近となり、2月7日(木)は建物南側の足場が撤去されていた。


2013年02月7日(木)

【思ったこと】
130207(木)NHK朝ドラ「純と愛」で出現した「純愛熱中症」と「アンチ純愛症候群」(4)朝の8時〜8時15分に放送することの是非(2)

 昨日も述べたように、このドラマに関しては

●内容自体についてはどうこう言うつもりはないが、NHK総合の朝の8時00分から8時15分の時間帯にこういうドラマを放送することについては反対である。

という声がクチコミ掲示板に多数寄せられている。このドラマに120%感動している私ではあるが、朝の8時00分から8時15分の時間帯に放送することが妥当かどうかという議論に限っては、批判的意見に同調せざるを得ない。その理由は、このドラマには
  • 1日15分という短い放送時間、あるいは一週間単位の放送時間の中に、いろいろなエピソードが盛り込まれすぎていて、しかも展開が速すぎる。
  • 怒鳴る、殴る、離婚届け、自殺未遂、認知症、...といった「暗い」エピソードが多すぎる。
といった特徴があると思われるからだ。

 但し、上掲の諸特徴は、ドラマ自体の価値を低めるものではない。テレビの前にちゃんと座ってしっかり視聴するとか、私のようにすべての回を録画し、食事の時間などに再生視聴するというスタイルをとれば、盛りだくさんのエピソードの意味や繋がりに納得でき(←辛口のドラマ通の方から言わせればまだまだ不備な点があるのだろうが)、じゅうぶんに感動できる内容となる。このドラマを高く評価している人たちも同じように捉えているのではないかと思う。

 しかし、すべての視聴者が毎日15分間じっと視続けているわけではあるまい。朝の8時00分から8時15分の時間帯と言えば、職住接近環境に恵まれている我が家などでも出勤準備やゴミ出し、鉢物水やりなどに追われている時間帯であり、そんなにじっくりとは視られない。また、病院外来や空港などの待合室、ホテルの朝食会場などでこのドラマが放送された場合は、放送時間のごく一部のシーンしか視ることができない。となると当然、種々のエピソードをストーリーに繋げることができないので、怒鳴る、殴るといった衝撃的な映像シーンばかりが目についてしまい、ドタバタ騒ぎばかりだという悪印象を形成することになる。

 少々脱線するが、2月8日早朝のNHKニュースでちょうど、「デジタル時代の新しいテレビ視聴(テレビ60年)調査」の主な結果が紹介されていた。それによると、30代女性の60%など、年代によっては、テレビ番組を録画再生で視る人がかなり増えているという。いっぽう、60歳以上では、録画再生視聴は減り、96%が、ふだんの日に1時間以上リアルタイム視聴しているとのことであった。

 NHK総合の朝の8時00分から8時15分の時間帯にどういう内容の放送をするのかという問題は、その時間帯にどういう世代の人がどういう目的でリアルタイム視聴をしているのかを適確に把握した上でないと議論はできないが、おおまかな傾向として、高齢者のほうがリアルタイム視聴が多いとするならば、「エピソードの盛り込みすぎ」、「怒鳴ったり殴ったりのドタバタシーン」、「暗い話題」を含んだドラマは、(NHKがドラマ制作をするという前提に立つなら)深夜など別の時間帯に移行するべきであろう。とりわけ、認知症気味の高齢者となると、前日のドラマの内容を思い出せず、その場その場の断片的なシーンにストレートに反応してしまう恐れもあるからして、不安、混乱、不穏などを助長する恐れのあるようなシーンは望ましくないようにも思う。


 次回に続く。