じぶん更新日記

1997年5月6日開設
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 2日間にわたって行われたセンター試験が終了。写真上は、岡大から岡山駅西口に向けて臨時運行されたバスの列。写真下は、センター試験終了を祝して(?)出現したVサイン型の雲。


2013年01月20日(日)

【思ったこと】
130120(日)「ローカル路線バス乗り継ぎの旅」は何が面白いのか

 少し前の話になるが、テレビ東京系で

ローカル路線バス乗り継ぎ人情ふれあい旅 東京〜新潟という番組をやっていた。

 ウィキペディアの当該項目によると、この番組は、テレビ東京系列の『土曜スペシャル』の枠で不定期に放送されているレギュラー企画であり、今回の新潟方面で13回目になるという。太川陽介(1959年生まれ)と蛭子能収(1947年生まれ)がレギュラー出演で、もうお一人、三十歳代から四十歳代の女性ゲストが加わる。初回の放送は2007年の10月20日で、おおむね10%台の高視聴率?を維持しているという。

 旅行好きということもあって、このシリーズは↓の回をDVD保存している。但し、※印は録画・ダビングだけしてまだ一部しか視ていない。
  • 第1弾:にっぽん列島横断 ローカルバス乗り継ぎの旅(横浜→富山の海岸)
  • 第2弾:東海道 人情ふれあい珍道中 ローカル路線バスの旅(日本橋→三条大橋を目ざすも滋賀県内で時間切れ)
  • 第4弾:人情ふれあい珍道中! 春の山陽道 ローカル路線バス乗り継ぎの旅(京都→宮島)
  • 第8弾:京都〜出雲 ローカル路線バス乗り継ぎ人情ふれあい旅(京都→出雲大社)
  • ※第10弾:四国ぐるり一周 ローカル路線バス乗り継ぎ人情ふれあい旅(高松→高松をめざすも時間切れ)
  • 第11弾:高松〜伊勢 ローカル路線バス乗り継ぎ人情ふれあい珍道中(高松→伊勢神宮)
  • ※第12弾:松阪〜松本 ローカル路線バス乗り継ぎ人情ふれあい旅(松坂→松本)
  • 第13弾:ローカル路線バス乗り継ぎ旅 東京〜新潟350キロ!ふれあい珍道中(新宿→新潟萬代橋)
 ちなみに、番組タイトルは「ローカル路線バス乗り継ぎ」となっているが、ウィキペディアによると、
  • タイトルの通り、移動には原則として路線バスを使用しなければならない。鉄道や飛行機・船といった他の公共交通機関の利用や、自転車、ヒッチハイクを行うことは禁止である。なお高速バスも基本的には利用できないが、高速道路を使用しない区間は利用できる(第9弾で該当ルートを使用した)。また、コミュニティバスや空港連絡バス(一般路線扱いの場合)、鉄道代行バスは利用できる。この他、滞在する宿の厚意による「送迎」という形で車を利用することは許されている。
  • 情報収集は現地の人ないしは路線バスの運転手や営業所からのみ可能で、インターネット・携帯電話・スマートフォン・タブレットなどを利用した情報収集はできない(現地で質問した相手がインターネットで調べることには制約はない)。
  • 行程によっては乗り換えられるバス路線がなくなり、徒歩での移動を強いられることになる(県境の峠などでバス事業者の管轄の端まで来た場合など)。悪天候や暑さ・寒さに耐えながら、数時間歩かなければならないことも珍しくない。第4弾までは、このように行き詰まった時に限りタクシーも利用できたが、第5弾からは禁止となった(ただし、宿探しや宿から翌朝の開始地点に戻る場合、および観光には利用できる)。
というようにいくつか「特例措置」があり、実際にローカル路線バス乗り継ぎだけで目的地にたどり着けたのは、第3弾だけ(?)らしく、少なくとも私が視た範囲では、どこかでタクシーやホテル送迎バス、高速バスを利用していた。最近では過疎化や高齢者対策としてコミュニティバスが運行されているものの、やはり、限られた日数の中で路線バス乗り継ぎだけで目的地にたどり着くというのは至難の業。特に、鉄道や高速バスの利用が当たり前となっている区間では(例えば、清水トンネル、淡路島にかかる橋など)、それを利用せずにローカル路線バスだけで迂回するというのはかなり大変であるようだ。

 これまでの番組で興味深かったのは、以下でバスが利用できなかったという点。
  • 第1弾の長野県内の辰野から塩尻方面への移動: 【辰野駅前】 - (辰野町営バス) - 【川島駅口】 - (徒歩) - (食堂による送迎) - 【塩尻駅】 - (松本電鉄バス) - 【松本】
  • 第4弾の兵庫県内から岡山県内への移動: 【播州赤穂駅】 - (ウエスト神姫バス) - 【居村】 - (徒歩) - 【槙】 - (タクシー) - 【福浦峠】 - (備前バス) - 【片鉄片上】【片上】
  • 第8弾の鳥取県内伯耆大山近辺での移動: (日ノ丸バス) - 【赤碕駅】 - (徒歩) - 【下市入口】 - (日ノ丸バス) - 【米子駅】
  • 今回の第13弾では、上越線の清水トンネルや、それを迂回する三国峠を通るバスが無く(当然!)、ゲストの知り合いの旅館に迎えに来てもらう羽目になった。
これらのケースは、県境地域がへんぴであり人的・文化的な交流が隔絶されている場合、あるいは、過疎化と鉄道・マイカー利用によりローカルバスの必要性がないことによるものと思われる。

 ところで、この番組、表向きは出演者3人の行き当たりばったりの乗り継ぎという設定になっているが、テレビ番組である以上、事前の下調べ、台本、旅館や食べ物屋の確保、撮影スタッフの移動手段などで、いろいろと「ヤラセ」的なところがあるようにも邪推してしまいたくなる。ちなみに、第13弾ゲストの田中律子さんのブログに撮影風景の写真があった。これによると、3人の後ろから少なくとも4名の撮影・録音スタッフが追っかけていることが分かる。バスの発着・移動風景では、専用の車が追走しているものと思われるが、番組で「歩いた」とされる区間に出演者をこっそり運んでしまったという可能性も無いとは言えない。ま、しょせん娯楽番組なので、そういうことはあまり考えないほうが楽しめそうではある。

 さて、この番組がなぜ面白いのかということになるが、1つは、レギュラー出演の蛭子さんの「マイペースな性格や奇抜な言動」への人気ではないかと思う。実際にやっていることは、バスや旅館で寝ていたり、トイレに行ったりする程度で、私でも同じ事は十分にできるとは思うが、ああいうキャラを演じる(?)られるのは「余人を以て代え難し」と言える。この番組が今後も続けられるかどうかは、ひとえに、蛭子さんの健康状態にかかっていると言えるかもしれない。

 このほか、「ローカル路線バス」という日常空間が、日本全国の有名観光地などと「繋がっている」というロマンのようなものや、旅の先々でのふれあいも魅力の要素になっていることは間違いないと思う。

 この番組の今後の課題は、1つは上にも述べたような、出演者(とりわけ蛭子さん)の健康維持問題、もう1つは、魅力あるコースがさらに開拓できるかという問題。後者については、もはや、主要なコースは行き尽くしたようにも思えるのだが、次回はどうなるのだろうか?