じぶん更新日記

1997年5月6日開設
Y.Hasegawa

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人間界の左と右(1)

1998年6月13日〜1999年1月22日
【思ったこと】
980608(月)[一般]ネジバナと階段の左巻き、右巻きについて考える
 6/4の「ちょっと思ったこと」のところに書いたが、ネジバナ(モジズリ)は右巻きと左巻きがほぼ半々になっているようだ。きょうの夕刻、これを確かめようと、文学部中庭一面に咲いているネジバナ中から証拠になりそうな写真を数枚撮ってみた。こちらにその「成果」を示す。【写真は、期間限定につき掲載終了】

 自然界には、右巻き、左巻きいずれかに方向が定まったツル植物は多いが、ネジバナに限って全くランダムに左右の巻き方が決まるとすれば、これはまた大きな謎である。

 さて、これだけでは物足りないので、そこからの連想で、階段の「左巻き」「右巻き」についてちょっと考えてみることにしたい。ここでいう左巻き、右巻きというのは、折り返しながら上に登っていく階段について、左足を外側にするように登っていくのか、それとも右足を外側にするように登っていくのか、という問題である。4〜5年まえに、うちの教室の卒論生が、大学構内や周辺アパートの階段についてその比率を調べたことがあった。手元に卒論原本が無いので詳しいことは忘れてしまったが、少なくとも国家公務員アパートに関しては、どの階段もすべて左足が外側になるように登っていくように設計されていた。
 記憶が定かではないが、東京タワーの階段なんぞも同じ向きになっており、展望台から歩いて下るときには、右足が外側(←下りなので、逆になる)になるような螺旋階段の構造になっていたように思う。
 もちろん逆向きの階段が無いわけではないが、どうも比率には偏りがある(=左足が外側になるように登っていくほうがはるかに多い)ように思えてならない。謎をとく鍵となるような情報をお持ちの方がおられたら、ぜひ教えていただきたいと思う。
【思ったこと】
980613(土)[一般]人間界の左と右(1)遊園地の遊具の場合

 月下旬にカナダに長期出張に行く同僚夫婦を招いて夕食会をやった。珍しくワインを4杯も飲んだために、眠くてたまらなくなったので、連載中の「トランプゲーム」と「大学ランキング」の話題はお休み。
 同僚の教官は日本の高校を卒業後、アメリカの大学でずっと研究をしてきた経歴があるだけにいろいろと貴重な体験を話してくれた。そんななかでディズニーランドのことが話題になったときに、かねてから疑問に思っていたことを尋ねてみた。それは、向こうの遊具は、進行方向に向かって左側から乗るか、右側から乗るかという問題である。
 8日の日記で、ネジバナの回転方向にかこつけて建物の階段が右回りか左回りか(左足を外側にして登るか、右足を外側にして登るか)という話題をとりあげたが、もっと一般的に、乗り物とかエスカレータとか歩行者の動きなど、意外なところで左右の比率に偏りがあるように思う。
 日本国内の遊園地の乗り物は、たいがい、進行方向に向かって左側から乗るようにできていたと思う。TDLの遊具などを思い出してみても、各所の観覧車を思い出してみても、あまり例外は無かったと思う。もっとも息子の記憶によれば北九州のスペースワールドのスペースドーム何たらというのが右側から乗るようになっていたという。また、香川県のレオマワールドは、直輸入ものが多いせいか右乗りが多く、もしかするとメリーゴーランドも左回りではなかったかというような記憶があるが定かではない。

 その理由として、日本(たぶんイギリスも同じ)は、バスやタクシーに乗るときに進行方向に向かって左側から乗車する。そこでなるべく日常生活場面に一致させることで事故を減らそうと左乗りにしているのではないかという仮説が考えられる。そしてもしそうであれば、アメリカでは逆に右側から乗る遊具が多いのではないかと考えられる。
 で、そのことを聞いてみたわけだが、あまり同僚もあまりはっきりは覚えていないが、高速の遊具では右乗りが多かったのではないかという話だった。
 こういうことは、アメリカ御滞在中の日記作者に聞けばすぐに分かることなんだが、takaさんやえんどーさんが一時帰国された時にもまったく思いつかなかった。国内外を問わず、何か情報をお持ちのかたがおられたら、こちらまでお教えいただければ幸いである。
【思ったこと】
980620(土)[一般]人間界の左と右(2)
 昨日の日記の回転寿司の廻る方向について、いくつか情報をいただいた。その1つ、りえさんから、(右利きの人の場合)皿が右から左方向に動くほうが右手で取りやすいのでは、という御意見をいただいた。
 皿が左から右に動く方ばあい、皿の進行と右手の手のひらが向き合うのでかえって取りやすいようにも思えるが、これでは手のひらへの衝撃が大きい。皿をおいかけるようにして取る場合には、さらの進行方向と手のひらの移動方向が同じ向きの方が衝撃が少なくて済む。このことが右回りの回転が多い理由になっているとすれば納得できる。さすがはりえさんだ。
【訂正追記】りえさんのご意見は、右回りなのは、左手でお皿を取りやすい・・ということだったので訂正します。つまり、右手にはお箸を持っているから、左手でお皿を取ると。回転寿司は気楽に食事が出来る場所だから、多少、行儀が悪くてもいいのではないかな、と。ということ。となると、上記の考察は見当ちがいということになるなあ。うーむ。ますます分からなくなってきた。


 この回転寿司に限らず、人間界にはいつの間にか左右の方向や位置が定まってしまった現象があるようだ。その中には、
  1. 純粋に人間工学的にみて根拠のある場合(といっても多くの場合は、右利きの人を基準にした場合が多い)
  2. 何の根拠もないが、初期条件が偶然的に決まり、以後普及の過程で受け入れられていったもの。
  3. ほんとうは逆のほうが合理的なんだが、今さら変えられないもの。
というように分類できるかと思う。これらを念頭におきながら、思いつくままに日常現象を考えてみたい。
  • 陸上競技トラックが左回りなのは、右足が利き足の人にとっては、おそらく右足を外側にして走ったほうが力が出しやすいためであろう。とすれば上記の1.に該当する。
  • 車のアクセルが右足側にあるのも同じ理由か。もっともマニュアル車の場合、クラッチ操作を右手でしたほうが良いのか(これは左ハンドル車の場合で、左手だけでハンドルを握ることになる)、逆のほうが良いのか(日本国内の場合)は、何かしら差がありそうに思える。
  • 自転車やバイクは進行方向に向かって左側から乗ることが多いように思う。とすると、進行方向に向かって左側に歩道があったほうが(つまり車は左通行)安全であるような気がする。
  • 横書きで文字を万年筆や筆で字を書く場合には、(右手を使う限りは)左から右に書いたほうがインクの字がこすれなくて合理的だ。これに引きずられる形で、数列はもとより、「(BACK)過去」と「(NEXT)未来」のボタンを置く場合にも、左側に古い方を置くしきたりが定着している。
  • 大勢の人が通行する地下道では、人の流れは左側通行になりやすい?
  • 遊園地、テーマパークなどの遊具は、殆どが進行方向に向かって左側から乗車するようになっている。これはより安全を保つために、バスやタクシーの乗車方向に合わせたものだという説があるが、だとすれば、米国などのように車が右側を通行する国の遊具は逆向きに乗るのだろうか?
  • 右利きの人の場合、馬、バイク、自転車などに乗る時には、進行方向の左側から乗ったほうが乗りやすいように思える。とすると、「馬や車は左側通行」としたほうが、道路の端側から乗車できるのでより安全ではないかという説が浮かんでくるが、実際はどうなんだろうか?
  • 航空機は外国でも例外なく進行方向の左側から乗降していたように記憶しているが、何か取り決めでもあるのだろうか。
  • 冷蔵庫は正面から見て右側方向にドアが開く型のほうが圧倒的に製造台数が多いと聞いたことがあるが、右利きの人の場合、左手でドアをあけて、右手で中の物をとったほうが便利であるような気がする。
  • 重い荷物を右手に持ちながら頻繁に出入りするドアは、左手で開け閉めできるようが便利だ。但し、玄関の扉のように鍵を差し込む必要がある場合には、右手で開けられるほうが便利。
【思ったこと】
980621(日)[一般]人間界の左と右(3)スーパーのレジ、バスの乗降、お寺の拝観順路、教室の入り口
 昨日の日記の続きとして、ふと思ったことを箇条書きにしていきたい。なお、この日記を読まれた方々からも貴重なご意見を頂戴しているが、明日以降にまとめて紹介させていただきたいと思う。
  • スーパーのレジに並ぶ時は、進行方向に向かって左側にレジがあるのはなぜだろうか。素朴に浮かぶのは、レジを打つ人が右手でキーを打ち、左手で商品を精算済みの籠に移すためという答えである。ところが最近は、食品関係のレジはほとんどがバーコード読み取り方式に変わってきた。となると、商品を右から左に移動させるのと(=従来の配置)、左から右に移動させるのとどちらが便利なのか分からなくなってきた。単に便利かどうかだけでなく、体を横にねじることによる職業病の発生を防止するにはどちらが良いのか、そんなことについてすでに検討が行われているのだろうか。
  • レジからの連想になるが、鉄道の自動改札機はどうなっていただろうか。普段はめったに鉄道を利用しないので記憶が定かではないけれど、通常は進行方向に向かって、右手側に改札がついていたように記憶している。もっとも、新幹線などで、乗車券と特急券を2枚重ねで入れるような必要がある場合は、左手側に改札がついている場合もあったような気がする。
  • バスの料金箱は、日本の「車は左」のシステムから行って運転手の左側に取り付けるしかない。それゆえ、整理券使用の乗車方式ではかならず進行方向に向かって右手側に運賃を投入することになる。これは、右利きの人には有利にはたらくものと思われる。いっぽう、東京都心部のように均一料金システムの場合には、前から乗って、左手の料金箱に先にお金を入れるようになっている。右利きの人から見れば、整理券使用の場合のように右側に料金箱があったほうがお金を右手で数えながら入れる場合などに便利かもしれない。このあたり、車が右側通行している国ではどうなっているのだろうか。
  • スキー場のリフトは例外なく、リフトの左側から乗るようだ。これは、遊園地の遊具の乗り方と同じ理由によるものかもしれない。
  • お寺や神社の拝観順路は右回りが多いような気がする。ネパールの「目玉寺院」などでも右回りだったが、これはマニ車を右手で回転させながら廻るのに都合がよいためかと思われる。金閣、銀閣、清水寺などはみんな右回りだった。平安神宮もそうだったなあ。先日の「ぷろくら京都オフミ」の時の記憶では、龍安寺の庭園は左回りだったが、方丈は右回りになっていた。もっとも、たいがいの方丈は、建物の東側に玄関がついているような気がするので、そのせいかもしれない。
  • 学校の教室は殆どが、教壇に向かって右側に出入り口がある。これは、「左光線」を重視し、その結果として、窓からの光が届きにくい右側から出入りすることになったためであろう。
  • オーディオカセットやビデオテープは、録画・再生には、上から見て左から右にテープが移動する。ラジカセでは、ヘッドの位置が上にあるか下にあるかによってテープの移動方向が逆になる。録画、再生、早送り、巻き戻しボタンの三角印の方向はこれらに対応させているようだ。もっと昔にあったレコードプレーヤは、どっちに回転していたかなあ。
【思ったこと】
980623(火)[一般]人間界の左と右(4)寄せられた情報・御意見を御紹介
 きょうは、この連載に対して寄せられた情報や御意見を紹介させていただきたいと思う。但し、これだけでは転載onlyになってしまうので、私が昨日「発見」した新たな疑問を1つ。
テレビやディスプレイの電源ボタンはすべて右側についている。ところがビデオデッキの電源ボタンは、左側についている。これは何故だろう???
きょうはまた、学外非常勤講師終了後、近くの回転寿司屋で昼食をとる。皿が右から左に動くのを眺めながら、これが反対向きだったら何か困ることはないかと思案するが、いっこうに名案が浮かばない。余談だが、きょうはイクラが出て無かった。O157がらみの自粛だろうか。

 さて、それでは寄せられた情報を2つほど紹介させていただく。まずは、米国での生活経験豊富なY.Horiuchiさんからの情報。

・右左の疑問はつきませんなあ。

・うちの親父の知人がオーストラリアのパースに回転すし店を開店したのですが、機械は全部日本から持っていったそうです。その時の話では、日本で、あの寿司の回るコンベアを作ってる会社は一社しかないと聞いたような。そうすると、最初に、その会社のオヤヂが決めた仕様がそのまま残ってるのではないでしょうか。

・あとは確かに、飛行機は全部左から乗りますね。あれは、空港のゲート接続の問題があるので、おそらくは国際規格として決めてあるのでは。まあ、大手と行っても、ボーイングとロッキード、エアバスの3社くらいしかないからなあ。

・そうそう、アメリカの車は全部左ハンドル・右側通行ですが、ひとつだけ例外があって、郵便配達の車は右側ハンドルです。これは道ばたの各家庭の郵便ポストに、車に乗ったまま郵便を入れる事ができるからだそうですね。

 まあ、回転寿司のコンベアを作っている会社が1社しか無ければ、その仕様に従うしか無いなあ。今度の土日にでも、そのメーカーのホームページでも探してみるか。
 飛行機に関しては、国内線、国際線、外国の国内線などいろいろ乗ったが、あまり昔のことは記憶に無い。ここ数年のあいだに乗った国内線は皆左側から乗降していたと思う。20年ほどまえに乗ったボーイング727は、おしりのところから乗降したような記憶があるけれど...。しかし、いまのジェット機、右側には乗降口はついていなかったかなあ。左右対称についていたような気もするのだが。
 郵便配達車が右側ハンドルだとは知らなかった。日本では車を運転しながら郵便配達するような町は無いから左ハンドルにする必要は無いかもしれない。ひょっとして有用かと思われるのは、路側帯を気にしながら移動する除雪車。日本の場合は左ハンドルにしたほうが見やすいのではないだろうか。

 もうおひとかた、S.Tsukizakiさんからいただいた情報:

・ちなみにバイクのサイドスタンドは左側に付いています。センタースタンドも(付いているものには)左側から操作するようなものになっています。国によって異なるようなことは見受けられないように思います。

・左右の区別については、先天的な部分と後天的な部分のどちらが比重を多く占めるのでしょうか?生まれたときからこの国で育っている者としては、習慣的な部分に漬かりすぎてわからなくなっていますが....

・小生なども普段使用しているキーボードについてはどうなっているのでしょうか。英文を打つ機会はそれほど多くありませんが、なんとなく左側の方が使用頻度が多いような気がします。

・カメラなんぞは完全に右利き専用ですね

・小生は右利きですが、たまに荷物が多いときなど自動改札の投入口が右利き専用なのに密かに腹を立てています。

 そうか、バイクや自転車のスタンドは車体の左側から操作するようになっているのか。とすれば、この問題にかぎっては車両は左側通行のほうが安全ではなかろうか。
 右利き、左利きの比率とか諸能力との関係については、数年前に心理学関係誌に取り上げられていたように思う。右脳左脳の優位性などと関連づけて長年にわたって研究している方もおられるようだが、最近の進捗状況は不勉強のため把握していない。
 キーボードは、テンキーで数値入力をする限りは右側のほうが多いようにも思う。ただ、マウス(私は最近はトラックボールしか使っていないが)とキーボードを併用する環境では、左側のキー操作が増えるのはやむを得ないかと思う。
 以上とりあえず、お寄せいただいた情報・御意見の第一弾を御紹介させていただいた。今後もぜひ、情報をお寄せいただければ幸いです。
【思ったこと】
980707(火)[一般]人間界の左と右(5)右脳左脳、右利き左利き
 自宅アパートに戻ったところ、「たけしの万物創世記」で、「右と左の世界」をやっていた。内容は、右脳左脳の機能や優位性の話、それと右利き左利きであった。第一印象として、この番組には珍しく、左右の脳の機能差についての誇張表現が多いような気がしたが、終わりのほうでは、左右が統合された1つの脳としての働きにも言及していたから、まあ、それほど目くじらをたててあれこれ言うべきこともなかろうかと思った。真偽のほどは別としてとりあえず、面白かった話題は以下の通り。
  1. プロポーズするときは女性の左側(左耳)から話しかけたほうが、右脳に働きかけるので成功率が高い。
  2. 物を論理的に考える時は左下から右上方向にクビをひねることが多い。
  3. 両親がともに右利きの場合、片方が左利きの場合、両方とも左利きの場合それぞれにおいて、子供が左利きになる確率は、順に6.3%、16.7%、50%。
  4. ヤドカリはみな左利き。これは宿を借りる巻き貝の巻き方に依存しているため。
  5. ネコの利き足は半々。
  6. インコは右脳で物まねをする。

 時間が無いので、とりあえずこれらに対する感想を箇条書きにしておく。
  1. 左右の脳で機能差があることは確かだが、脳に何らかの損傷でも受けない限り、そのことについての知識が日常生活行動に役立つことは殆ど無い。左右の大脳半球は脳梁によって結ばれており全体として統合的な働きをしている。言語処理だとかイメージ処理だとか言ったって、特定の部位だけが独立的にはたらいているわけではない。
  2. 知的能力や運動能力は多種多様であって、右脳型か左脳型などというように単純に2種類に分けられるものではない。運動能力が左優位だから「右脳的な」認識能力がすぐれているとか、あるいは「右脳的な」認識能力の優位が左利きをもたらすといった発想は短絡的すぎる。
  3. 右半視野とか左半視野とか言っても、現実には目玉は動いているわけだから、世界の半分しか見えないということは無い。もし、現実世界で極端な差が生じているならば、たとえば車が左側通行の国と右側通行の国とのあいだで交通事故の発生数が大幅に異なるとか、事故内容に質的な差があるといったデータが出ているはずで、とっくの昔に左側通行か右側通行かいずれかに統一されていたはずだ。
  4. 電話の受話器は右耳で聞いたほうが数字がよく聞き取れるというのは本当かもしれない(私の場合は明らかにそうだ)が、プロポーズは左耳からというのは明らかに誇張しすぎている。どちらからささやかれたって、その内容は両半球全体で処理されるはずだ。音声の方向よりも、どうやってお手手をつなぐとか、相手の肩に右手左手どちらをかけるかとかいったほうが、ムード的には重要ではないだろうか。余談だが、夫婦が一緒に寝るとき、左右の位置はどうなっているのだろうか(←これは、か○すがさんの日記むき話題ですなあ)。
  5. 受容器(網膜、耳、皮膚などの感覚知覚)−脳−効果器(筋肉の動きなど)の経路がダイレクトであるほうが反対側の脳を迂回するより的確迅速な処理ができると言われる。それ自体は正しいかもしれないけれど、迂回するほうが一定の時間的余裕を与え、多様な部位の興奮を引き起こすことで多様な発想ができるかもしれない。旅行だって、最短距離で目的地に着くより迂回したほうが楽しい場合があるではないか。

<追記>この連載をサボっている間に、読者の方々から貴重な情報が寄せられたのでご紹介させていただく。
  • 月崎 伸一さんから
    ちなみにバイクのサイドスタンドは左側に付いています。センタースタンドも(付いているものには)左側から操作するようなものになっています。国によって異なるようなことは見受けられないように思います。
  • 前田展秀さんから
    フロリダ州タラハシー市の前田です。こちらの市内のスーパーで売っている自転車のブレーキは、右が後輪用で左が前輪用です。日本と逆なのではないでしょうか。理由は知りません。
どなたか理由をご存じの方が居られましたら、更なる情報をお願いします。
【思ったこと】
990107(木)[一般]人間界の左と右(5):矢印の向きと「開始」「終了」
 昨年7/7の日記以来のひさびさにとりあげる話題。

 各種報道によれば、往復葉書のデザインが変更され、在庫が無くなり次第あたらしいものに切り替えられるという。といっても実際に変わるのは、これまで「往信」「返信」の表示を囲んでいた四角い枠を矢形するという程度のことらしい。とはいえ、矢の向きが、「往信」は右、「返信」は左になっているというところが面白い。

 この表示に限らず、右向きの矢印(→)は開始、左向きの矢印(←)は終了という意味で用いられることがある。身近なところでは、交通標識で、制限80kmとか追越禁止の区間の始まりと終わりを示す場合だ。

 ところでちょっと考えてみると、右向きの矢印が開始の意味に使われなければならない理由はどこにもない。数字あるいは大部分の言語では文字を左から右に書くけれど、日本語や中国語の縦書き、戦前の日本語の横書、アラブやエブライ語のように右から左に書く場合もある。こういう国でも右向きの矢印は「開始」の意味に使われているのだろうか。どなたか教えていただければ幸いです。

 もうひとつ、交通標識についても似たような疑問がある。自動車学校で「→」が区間の開始で「←」が終了であるというのを習った当初、私はどうしてもそれを覚えることができなかった。そこで
  • 道路標識というのは道路の左側につけられるものである、
  • もし標識が車道側に向けられて設置されていたら(標識の面が車道に平行になるように向くという意味)、開始区間は右向きに表示しなければ混乱を招く。
というようにこじつけて覚えることにした。しかしこの発想でいくと、車が右側通行になっている国では、標識は道路の右側に設置することが多いはずだから、区間の開始は「←」として示さないと混乱を招くように思える。このあたり、実際はどうなのだろう。海外在住の方々から情報をお寄せいただければ幸いだ。

 ※この連載に関して昨年7/7以降に判明したのは次のとおり。
  • チボリは、私が見た限りでは、バスやタクシーと同じようにすべて左乗りであった。デンマークの元祖チボリではどうなっているのだろうか。車が右側通行になっているのですべて逆ではないかとも予想される。もし行かれた方があればお教えいただきたい。
  • 年末の番組(所さんが出てくるもの)でハワイの別荘を紹介していた。その中で、横型の交通信号をチラっと目撃。左から赤、黄、緑と、日本とは逆になっているのを目撃した。大部分は縦型だったと思ったが、どういう場所で横型に変更されているのだろうか。
【思ったこと】
990108(金)[一般]人間界の左と右(6):年賀状のウサギは左向き

 昨日の日記で書き忘れたが、そういえば、ネットスケープやMS-IE、JustViewなどについているBackとForwardのボタンも、左向き(←)が「戻る」、右向き(→)が進むという意味であることを思い出した。そのほか、これは前にも書いたけれど、ラジカセなどのテープの再生や早送りは右向き、巻き戻しは左向きの三角マークがついている。このほか、車はアクセルが右、ブレーキは左。

 さて、「右=進む」がこれだけ多いと、なんだか左向きは後退の印象を与えてしまうように思うが必ずしもそうでない場合がある。私が今年の正月に受け取った年賀状のなかで動物の絵が描かれてあったのは全部で53枚あったが、そのうちの33枚(62.3%)は左を向いており、右向きの4枚(7.5%)より圧倒的に多いことが分かった。
 53枚の内訳は、ウサギが47枚、ホオジロ3枚(絵付官製葉書「万両とホオジロ」西村昭二郎氏画)、それ以外の鳥1枚、コアラ1枚、自宅の犬の耳に飾りをつけてウサギにしたもの1枚。
 ウサギ以外を含めた53枚の動物の絵の向きは
  • 左を向いているものが33枚
  • 正面を向いているもの7枚
  • 複数の絵があって両方向を向いているものが8枚
  • 体は左だが顔は右向きのもの1枚(東海版の絵付き年賀葉書・河合重政氏画のもの)
  • これに対して右向きは4枚(うち1枚は、福岡県の「卯歳小倉祇園太鼓」西島伊三雄氏画)にすぎない。
となっていた。
 左を向く動物が多いのには、1つには絵が右下に配置されているため葉書の中心に顔を向けていたほうがバランスをとりやすいという理由があると思う。また、年賀状は縦書きが多く、文字の流れに合わせて左向きにしたという理由も考えられる。

 しかし、おそらく一番の理由は、少なくとも右利きの人の場合、動物の横顔は左向きに描いたほうが描きやすいということにあるのではないかと思う。では何故か。これも推測だが、右利きの人が線を描くときには、ふつう左から右に描く。動物を描き始める時に顔から描き始める(シッポやお尻から描き始める人はまず居ないだろう)ので左に鼻先があったほうが描きやすいという理屈。じっさい、私自身も、犬や鳩、ネズミなどの横顔はみな左向きに描いてしまう。

 もうひとつ、動物とは関係ないが、新聞の折り込みチラシの中に新車の広告があった。このチラシには25台分の写真があったけれど全部が左向きになっている。これまでにも左向きの写真を多く見たように思う。こちらは写真だから車の絵を描く場合とは異なるので別の理由を考えてみた。
 コジツケかもしれないが、日本では車を道路の左側に停めるので、歩道から見た車は左向きとなる。右向きの写真では車道を渡った向こう側に停まっているように見えので親近感がわかないというのが私の解釈だ。これが正しいとすれば、米国の車の宣伝チラシは逆向きの写真になっているはずなのだが、実際はどうだろうか。
【思ったこと】
990122(金)[一般]人間界の左と右(7):広告の車の写真と図鑑の魚

 1/8の日記の続き。前回もふれたが、右利きの人が人間や動物、乗り物などの絵を描く時には左向きになりやすい。これは、顔の前面(鼻先)から絵を描く場合に、左から右方向への線のほうが描きやすいためであると推測される。(このほか、右手で描くと絵の右側が隠れてしまうことも一因になっている可能性がある。ただし、それが唯一の原因であるとするなら、マウスなどを使ってコンピュータで絵を描く場合には右向きでも不便は無いはずだ。データをとってみる必要がありそう)。

 いずれにせよ、写真を載せる場合には右向き、左向きの利便性は全く関係無いはずなんだが、車の広告ではどうも左向きのほうが多いように見える。そこで、一昨日あたりからの折り込みチラシで比率を調べてみた。結果は予想通りであった。但し、左向きといっても、前面から45度左に向いているものが多いようだ。いちおう区別してカウントしてみた。
  • 【岡山トヨペット(新車)】前面斜め左9台、前面斜め右1台、後面斜め左2台、後面斜め右1台。
  • 【トヨタビスタ(新車)】前面斜め左4台、他は無し。
  • 【日産サニー(新車)】前面斜め左12台、他は無し。
  • 「アウディジャパン(新車)】後面斜め左1台、後面斜め右1台。
  • 【ネッツトヨタ(新車)】前面斜め左1台。
  • 【くるまのハヤシ(中古車)の折り込みチラシ】前面斜め左:88台。他の向きは無し。


 左向きの車が多いことについて1/8の日記で
コジツケかもしれないが、日本では車を道路の左側に停めるので、歩道から見た車は左向きとなる。右向きの写真では車道を渡った向こう側に停まっているように見えので親近感がわかないというのが私の解釈だ。これが正しいとすれば、米国の車の宣伝チラシは逆向きの写真になっているはずなのだが、実際はどうだろうか。
と書いたところ、sableさんから貴重な情報をいただいたので紹介させていただく。
「米国の車の広告について」
フロリダ州タラハシーに住むsableです。先ほどスーパーマーケットで、中古車の広告集を取ってきました。3冊ありますが、左右どちら向きが支配的かということに、明確な結論はだしがたいです。数がたくさんあるので、実際に数えたわけではありませんが。レイアウトの都合で全部右向きまたは全部左向き、紙面左半分が右向きで紙面右半分が左向きなど、いろいろあります。そういったレイアウトを意識していないと思われるページでは、若干左向きが多いようです。

 他の方々からもぜひ情報をお願いします。

 きょうの日記はここで終わりにしようと思っていたが、娘が使っている下敷きに魚の写真がたくさんあり全部左向きだったことから、興味をもって何冊か図鑑を調べてみた。
  • 学研の観察図鑑4『淡水の魚と生物』(1984年)に掲載の魚、エビ、水鳥、蛙は、生態写真を除きほとんどすべて左向き。唯一の例外はイシガレイ。これは目が体の右側についているためやむを得ないところか。
  • 学研の図鑑『魚』(1970年)も同様で、カレイやヒラメが右向きになっているだけ。
  • 旺文社の学習図鑑『魚』(1977年)も同様で、カレイやヒラメが右向きになっているだけ。
  • 小学館の学習百科図鑑50『恐竜の図鑑』(1990年)は、右向きも半分近くあり。
  • 小学館の学習図鑑シリーズ『鳥類の図鑑』(1962年)も、右向きが半分近くあり。
 データは少ないけれど、魚類図鑑の場合は絵であっても写真であっても、カレイやヒラメの一部を除いて左向きが圧倒的に多いように思う。これは子どもたちが模写をするときに描きやすくするための配慮か。もっとも左向きの魚ばっかりお手本にしていたらますます右向きの魚が描きにくくなるので、ニワトリが先か卵が先かみたいな議論になってしまいそうだ。

 ネット上で公開されている魚の写真もいくつか拝見したが、この場合には左右の向きは半々ぐらい。釣り上げた魚の場合は右手で尾のほうを持つせいか、向かい合って撮影した場合には魚が右を向いている写真(つまり尾を右手で持ち、頭のほうを左手で支えている写真)が多いようにも見えた。こちらも情報をいただければ幸いです。
【思ったこと】
_00223(水)[一般]人間界の左と右(8)雛人形の左右の位置

 2000年2月22日付けの日記読み日記で雛人形の左右の位置について
私が子供の頃に自宅に飾ってあったのは、確か(こちらから見て)左側が男だったように記憶しているのだが、リンクされていた京都国立博物館のHPでは、みな右側が男になっている。と思って、たまたま送られてきた全日信販の「AJ歳事暦」を見たら左が男になっていた。そういや、じぶんの結婚式の時、新婦はどっちに立っていたかなあ。確かじぶんの左側(周囲から見て右側)だったように記憶しているのだが、結婚式のアルバムを押入の奥に詰め込んでしまったため思い出せない。
と書いたところ、めぐみさん(当該ページはこちら)から、以下のような貴重な情報をいただいた。ご許可が得られたのでここに転載させていただく[改行位置は一部長谷川のほうで変更しました]。
一般的には、西日本では男雛が向って右、女雛が左となります。
又、中京以東では逆になるのが普通のようです。

起源に関しては諸説あるのですが、西日本は「京都流」と言われ古来から朝廷の儀式は「左上位」が原則で、女雛の左に男雛が立つので向って右が男雛となります。

上位の概念についても諸説あるのですが、律令が成立する段階では左大臣が右大臣より上位であるように、この概念は成立したようです。
ただ、これは実際の位置ではなくて、言葉での「左右」だとの説もあります。

これに対して中京以東で女雛が左上位を占めるのは徳川家康の孫である興子内親王が、即位されて明正天皇に即位されてから、上位の左に女雛を配置するようになったとの説が有力です。

興子内親王七歳の祝儀自体が、飾り雛の起源ともされていますので、極めて初期からこの飾り方はあったようです。

俗説ですが、朝廷と幕府の鞘当てと言うか、上方と江戸の対抗心の様なもので、あえて左右逆に飾ったとも言われ、名古屋では徳川宗春の時代は将軍吉宗に対抗する意味であえて京都流に雛飾りをしたとの説もあります。

現在の礼法では、どちらが正式だとは決めていないようで地域による差だとの認識が一般的です。

ただ平成天皇の即位の大嘗会の際に、高御座が向って左であった事で流派によっては、「向って右が女雛、左が雄雛」の東京式が正式だとする事もあります。

いずれにしても、雛飾り自体が正式な宮廷の儀式ではないので「古来よりの習慣」というものは無く、また立ち位置の上下関係も夫婦である雛人形には無いとの解釈が、最近は多いようです。
どうもありがとうございました。なお、めぐみさんに、右大臣・左大臣(あるいは桜と橘の位置)などの位置についてもお伺いしたところ、さらに以下のようなご説明をいただいた。重ね重ねありがとうございます。
基本的にはこれは一定です。

左右が代るのは、内裏雛、親王雛だけです。

現在は左大臣、右大臣と呼ばれるのが一般的ですが元々は、貴人を警護する役目なので「随身」と言い「左近衛」「右近衛」となり、「左大臣」「右大臣」となったようです。
出世したと言うべきか、階級のインフレと言うべきか。
ちなみに老人が「左近衛」、若者が「右近衛」でそれぞれの右手に、羽が下を向くように矢を持ちます。

これは飾り段が増えて仕丁(衛士)が現れた際に変化したとの説が有力です。
尚、仕丁は東京では向って右から立傘を持った「笑い上戸」、沓台を持った「泣き上戸」台傘を持った「怒り上戸」の順となりますが各由来はあまりにも諸説あるので控えさせて頂きます。

京都流では持ち物が「ほうき」「ちりとり」「熊手」となります。

こちらは、階級が下落したのではないかと言われています。
大臣からいきなり、間の役職がなくて下男と言うか中間みたいな設定ですものね。

桜と橘も基本的に「左近の桜」「右近の橘」と呼ばれ一定のようです。

蛇足になりますが、三人官女は「式三献」の給仕役なので向って右から「長柄の銚子」「盃」「加えの提子」です。

五人囃子は能の囃方と同じ構成なので、向って右から「謡」「笛」「小鼓」「大鼓(おおかわ)」「太鼓」の順となります。
 なお妻に聞いたところ、娘の雛飾りは東京風の位置で飾るようにしているとこと。うちの場合はアパートなので、三人官女や五人囃子は飾っていない。そういや小学生の頃、五人囃子の一人と内裏雛の首をすげ替えて「クーデター雛」などとイタズラをして祖父母にひどく叱られたことがあったなあ。

この連載は、人間界の左と右(2)に続きます。