1997年4月8日宵空のHB彗星と大学構内の桜




4月8日(火):1925-2000
下り坂ながら、1800すぎには、いったん晴れるという予報だった。これが的中し、1900すぎには快晴になった。とはいえ、透明度は悪く、北斗七星の1つである3等星が、かろうじて見える程度だった。
アパートを出たが、晴れているのに彗星が見つからない。あれ、どこに行ったかな?と思って、上を見上げると、驚くほど高い位置に輝いており、一瞬、ぎょしゃ座のカペラではないかと疑ったほどの高さだった。
あまり条件はよくなかったので、遠出はあきらめ、文・法・経三学部構内の中庭で、桜の花を前景に、何枚か写真を撮る。桜の下では、どこかの教室の学生が宴会をやっていた。桜は、今がいちばんの見頃である。私が岡山に来たころは、まだ苗木だったが、ここ一二年は、大学構内でも屈指の桜の名所になった。また、文学部の2階のテラスでは、数人の女子学生が、双眼鏡を片手に彗星見物をしていた。桜見物の学生を含め、彗星に目をやる人たちは結構多かった。
帰り際、車にカメラを積んでいると、同僚の教官が数人通りかかった。さっそく彗星案内をするが、どの人も本の読み過ぎで目を悪くされているせいか、残念ながら位置すらはっきり確認できないご様子だった。そこで、双眼鏡を取り出し、かろうじて尾の伸びている姿を確認してもらった。お節介と思われたかもしれないが、とにかく、彗星を1回でも見た、という人の数を増やして、まんぞく。私自身が双眼鏡で覗いた限りでは、ダストテイルは視野を遙かに越えて右方向に3本ほどに分かれて伸びている様子を確認することができた。



[Image]4月8日19時47分。40秒露光。絞り5.6。絞りを、いろいろに変えて撮影してみたが、4から8のあいだに設定し、距離を30mぐらいの所に合わせると、何とか写るようだ。花の色は、近くの街灯などの強さや方向によって、ずいぶん変わるようだ。何枚かの写真では、花の色が真っ白になってしまっていた。

昼間の写真はこちらです

[Image]【写真左】4月6日撮影文・法・経3学部中庭。後ろの建物は、完成した図書館新館。
[Image]【写真右】4月8日撮影文・法・経3学部中庭。正面の建物は講義棟。後ろの山は、半田山。