970627(金)
[心理]血液型と性格をまじめに考える(10)
 血液型性格判断が当たっていると思われる理由についていろいろ書いてきた。まだ書き足りないことがたくさんあるけれど、週末〜月末は、日記を書くことと読むことについての総括をしたいと考えている。血液型性格判断に関する次の話題は、来月以降を予定している。
 さて、今までは個々人の特性を扱ってきたが、今日は2人以上の問題、つまり相性について考えてみたいと思う。
 その前に、昨日の最後に問いかけた勝新太郎さんと、中村玉緒さんの血液型であるが、どちらもO型というのが正解だ。 テレビ番組紹介の6.の表が当たっていると仮定しよう。勝さんは、追悼記事で、“破天荒、公私に勝新流”などと言われたぐらいだから、A型とAB型は、ちょっと当てはまらない[注]。これは良しとしよう。しかし、B型ではなくてO型であると積極的に主張できる根拠はあるだろうか。
 勝新太郎さんのことを話題にしたかった本当の理由は、じつは相性である。O型どうしのカップルは相性が悪いというのが、血液型性格判断の“定説”になっている。じっさい、能見正比古氏の『血液型でわかる相性』(青春出版社、1971)によれば、O型どうしのカップルは、激烈なライバル関係だとされている。
 そこで、“血液型性格判断はウソだ”と主張する者は、O型どうしで仲のよいカップルを探してきて、反例としてかかげたくなる。その代表の1つが、上に述べた勝新・中村玉緒夫妻、ほかによく引き合いに出されるのが、芸能界きってのオシドリ夫婦だと言われている神津善行・中村メイコ夫妻である。
 もっとも、能見氏の本(こういう本は、岡山の“古本市場”という古本屋で100円均一で何冊でも手に入る)には、ちゃんと逃げ道が残されている。つまり、O型夫婦は、「同志的結合と、“おたがいはおたがい”という2つのケースに分かれる。」と、ちゃんと書かれてあるのだ(上掲書、p.86)。つまり、非常に仲がよければ“同志的結合”、あまり仲がよくない時は“おたがいはおたがい”と分類されるので、けっきょくどんな夫婦でも当てはまることになってしまう。
 同じような逃げ道は、どの血液型間にも用意されている(※この時点での能見氏の著書では、AA型とBB型は資料不足ということで本文中では触れられていない)。
 要するに、“相互の理解と許し合いがあれば”とか“感情面や心の面で割りきれば”という但し書きがついているので、うまくいけばその条件を満たしたためと説明できるし、相性が悪ければ、但し書きが満たされなかったケースとして説明されてしまうので、ゼッタイ外れないような仕組みになっているのだ。
 最後に、ついでながら、上掲の本の“相手に嫌われないためのポイント”というのを紹介しておこう。
 このシリーズをずっとお読みくださった方には、もはや説明は不要だと思うが、何型であろうと、こんなことは当たり前ではないか。例えば、“AO型には心を傷つけないようにする”とあるが、何型であろうと、心を傷つけるような相手が好かれるはずはない。第7回で指摘したフリーサイズ効果は、ここにもあらわれている。

[注]上掲の本を丹念に読むと、AO型、AB型にも勝新さんらしい特徴が書かれていることに気づく。例えば