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8月31日(火)

【思ったこと】
_40831(火)[旅行]アンデス最深部(1)今回の旅行の総括

 今回の旅行は、アルゼンチン・チリ・ボリビア国境付近の山岳地帯を陸路で走破するという内容であった。この地域は、南北6000kmにわたって連なるアンデス山脈の中でも東最も幅が広く、「最深部」の名を冠するにふさわしい地域であると言える。

 今回の旅行はまず、アンデスの東側にあたるサルタ(アルゼンチン)から、「雲の列車」と専用バスを使って主脈を越え、チリ側のサンペドロ・デ・アタカマへ。ここで、「月の谷」、アタカマ塩湖、やミスカンティ湖などの湖沼群や、世界最高所にあるタティオ間欠泉(←実際は、噴水泉)などを見物したあと、すぐ近くのボリビア国境に入り、エメラルド色に輝くベルデ湖、真赤な水面をしたコロラダ湖を巡りながら、一面の塩原が広がるウユニ塩湖まで四輪駆動車で走り抜けた。ウユニ湖を堪能したあとは、銀山で有名なポトシ、ボリビアの憲法上の首都であるスクレという2つの古都(いずれも世界遺産)を見学した。

 いずれの景色も、これまでの海外旅行と比較して「最高レベル」に値する素晴らしいものであり、まるで別の惑星に来ているかのような感動を与えてくれた。海外旅行はこれからも続けるが、たぶん、今回以上に、日常世界と全くかけ離れた風景を堪能することはできないのではないかと思う。

 さて、2004年8月16日のWeb日記では、今回の旅行の難所として以下の5点を挙げた。
  1. 往路時、アメリカ国内の飛行機がうまく乗り継げるか。テロやハリケーンの影響がありうる(往路は、ダラスから国内線でマイアミを経由)。
  2. アンデスの峠が越えられるか。一週間前の情報では積雪が多く、通行止めになっているとか。
  3. チリ→ボリビア国境は通れるか。チリを経由した米国への天然ガス輸出問題をめぐってボリビア国内では対立が続いており、国境が閉鎖される恐れが無いとは言えない。
  4. ボリビア国内の治安。昨年夏の旅行以後も、全土でデモやストライキが頻発している。空港が閉鎖された時期があった。
  5. 無事に戻れるか。復路はなんと、アメリカ国内に1泊することになっている。それも、宿泊地はマイアミだとか。ハリケーン被害は大丈夫なのだろうか。
 この5点に関して実際はどうであったかを、各番号に対応して言えば
  1. アメリカ国内の航空機はそれほど遅延無く乗り継げたが、ダラス乗り継ぎの際に、うっかり、スーツケースにカギをかけたまま預けたところ、米国保安当局によって知らぬうちにすべてが壊され、中味がかき回されてしまった。当然、スーツケースを締めることができなくなり、やむを得ず、スーツにゴミ袋を被せて、ケースベルトで固定して荷物を運ぶことになった。米国内を旅行される方は十分ご注意ください。
  2. アルゼンチンからチリ側へのアンデス越えは、当初予定していた峠は雪で閉鎖。しかし、そのおかげで、サリーナス・グランデス(Salinas Grandes)という、アルゼンチン国内では最大規模を誇る塩湖を見物することができた。
  3. チリからボリビアの国境は、いずれ写真をアップする通りで、平穏そのもの。山岳地帯の道路に、ボリビア入管の小さな建物があるだけだった。
  4. 旅行中に、ラパス周辺でストライキが行われたという情報が入ったが、空港付近は特に問題無く通過できた。
  5. ハリケーンの影響は無かったものの、帰路のマイアミ着陸時に雷雨があって一時空港が閉鎖されていた関係で駐機場が満杯。着陸後1時間以上、機内で待機させられた。
 このほか、帰路の乗り継ぎ地点であるロサンゼルスで、着陸時に別の飛行機が滑走路を横切り、あやうく衝突というハプニングがあった。機長のとっさの判断で滑走路から急上昇し、難を逃れた。

 なお、今回は、最高宿泊地点4200メートル、最高通過点4700メートルという高所を体験したが、高山病と思われる症状は殆ど出なかった。血中酸素濃度は最低で84。3800メートル地点では90以上をキープできた。私の場合、まだまだ高所は大丈夫のようだ。