じぶん更新日記

1997年5月6日開設
Y.Hasegawa

[今日の写真] オーストラリア上空から眺めた日の出(6/17撮影)。関空からブリスベンに向かう飛行機では、ジャンボ機2階席の左側窓際の席に座ることができた(但し、座席そのものはエコノミークラス仕様)。直行便のため、飛行機はほぼ一直線に南南東方向に向かう。席の後方にはカシオペア座がずっと見えた。流れ星も5個ほど目撃。明け方に近づくと、ほぼ最大離角の金星と21日に皆既日食を迎える月が接近して見えた(写真右)。日の出直前にゴチャゴチャとした星雲状のものが見えてきたのでひょっとしてマゼラン雲からとわくわくしたが、まもなく、スバルであることに気づく。土星と牡牛座のアルデバランが東の空に上がったところで日の出を迎えた。 [今日の写真]



6月24日(日)

【思ったこと】
_10624(日)[心理]オーストラリア研修(その1)オーストラリアで気づいたこと

 6/17から8日間の日程で、研修を目的としてオーストラリアに行ってきた。研修の内容については別途正式な報告書をまとめる予定であるので、この日記では、オーストラリアを初めて訪れた一般的な感想、及び、研修中に特に印象に残った点について順不同、不定期連載で考えをまとめていきたいと思う。



 海外旅行にはこれまで10回あまり出かけたことがあるが、南限はキリマンジャロ登山の時に赤道をちょっと越えただけ。南半球を訪れるのは実質初めてのことである。時差が殆ど生じない反面、この時期は冬にあたるということで寒さ対策に迷ったが、実際には一番寒いアデレードでも背広にチョッキ程度で十分。快適な気温であった。

 オーストラリアは食品や革製品の持ち込みが厳しく制限されており違反が見つかると罰金をとられると聞いていたので、のど飴(食品?)とウェストポーチ・革靴(皮製品)を申告したが、そこまで大げさにする必要は無かったようだ。もっとも、申告ゲートのほうが空いていたのでそれでよかったかも。

 入国後に気づいた点をいくつか記すと、

[写真] [写真] ●日本と同じく道路の左側を車が通行するので、町の中の景色はそれほど違和感が無い。もっとも交通信号は縦型。通行量の少ないところは、「roundabout」というロータリーになっていて、右側から来る車のほうが優先。交通量の多い交差点には、右折用矢印つきの2列の信号(写真左右)が付けられていた。日本と違って、右折車にも独自に指示が出ているので、例えば、直進方向が青信号であっても、矢印が赤になっていれば右折できない。日本とどっちが合理的だろうか。

●日本の都市に比べると看板やネオン、街角では自販機を全く見かけなかった。特にブリスベンやアデレードはその傾向が強い。

●日本の都市に比べると、町の中を通行するトラックの数がきわめて少なかった。コンビニ、自販機メンテ、宅配便関係のトラックが無いことも一因かと思う。このほか軽自動車というのも見かけなかった。ナンバープレートの色は州によって異なるほか、お好みの番号で登録した場合は白黒表示になると聞いた。

●シドニーを含め、日本のような点字ブロックは、シドニーのモノレールホームを除き全く見かけなかった。理由を聞こうとしたが、英語がうまく通じなかった。現地に存在しないものを英語で表現するのは難しいものだ。

●ブリスベンは、亜熱帯の花が咲き、沖縄に似たところがある。蚊は居なかったが、毒虫が出る(出た)ため、古い家はみな高床式になっていた。

●電柱や柵などに木材をたくさん活用していた。

●ブリスベンのホテルで自室のドアのカギが開かなくなった。内側のドアボタンを押したまま締めたため。

[写真] [写真] ●ガソリン価格は、レギュラー、セルフ給油で1リットル95セント(約67円)前後。ディーゼルのほうが値段が高い所が多かった(写真右)。

●中古車の価格はおおむね日本並みだったが、末尾に「999」や「990」をつけたものが多かった。「980」よりも安く見えるのだろうか。ちなみに、オーストラリアでは、同じ年式でも走行距離が遙かに長いものが多いという。

●オーストラリアのトイレはどこもドアが頑丈に出来ており、しかも二重になっていた。もっともその割に男性の小便用トイレは、空港やレストランなどでも、敷居の無い、壁に向かって尿をかけるタイプを多く見かけた。



 オーストラリア英語は最初聞き取りにくく戸惑ったが、概ね、「アイ」を「エイ」に置き換えて聞くとそれほど困難ではないことに気づく。例えば、
  • age→「アイジ」
  • paper→「パイパー」
  • education→「エデュカイション」
  • able→「アイブル」
  • aim→「アイム」
 中学の英語では「Australia」を「オーストレイリア」と発音するように習うが、これはあくまで米語読みの発音。現地では日本語の「オーストラリア」に近い発音をしているように聞こえた。オーストラリアは「英」語ではなく「愛」語であると考えればよいかも。

[写真]  このほか、英語で戸惑ったことは

●駅の券売機の「single」と「return」:「一人分」と「返金」の意味かと思ったが「片道」と「往復」だったのね。

●ホテルの「level」:「level1」とか「level2」などと言われるとTVゲームを思い出してしまうが、これは「1階」、「2階」のこと。ちなみに日本のホテルの「1階」は「G」となる。英国式のホテルでこれまでも「G」は見かけたことがあったけれど、「レベル」という言い方のほうはあまり記憶にない。

●「retail」:シドニーでモノレールに乗った時に車内アナウンスでこの言葉を聞いた。小売店の意味だと思うが、単なる「shops」や「stores」とどこか違うのだろうか。

●「FOOD FOR LESS」:郊外で見かけた看板(写真右上)。「少数民族のための食品」あるいは「ダイエットのための少な目の食品」のことかと思ったが、永住権を取っている日本人の話では、単に「安い」という意味らしい。「cheaper」では安物のイメージが出てしまうので「less expensive」の意味でこのようにしたらしいが、未確認。




[今日の写真] アデレードのホテルから眺めた日の入り。(南半球では)冬至が間近のため、セント・ヴィンセント湾奥の北西の空に沈む。南半球では太陽は北の空を左側に移動して「北中」するので、しばしば方向感覚を誤る。

 ちなみにアデレード滞在中に夕日が見られたのはこの日だけ。星空のほうはブリスベンで1回、アデレードで1回、シドニーで1回、いずれも南十字やケンタウルスα星などを眺めることができた。
[今日の写真]



6月25日(月)

【思ったこと】
_10625(月)[心理]オーストラリア研修(その2)オーストラリアの概要

 研修の内容に触れる前に、オーストラリアの概要についてまとめてみよう。
  • 人口は1900万人。近畿2府4県より少し少ない程度だというが、毎年移民により増加。
  • 国土面積は外務省統計によれば約774万平方km(「771万」あるいは「768万」と記した資料もあった)。この広さは、ロシア、カナダ、米国、中国、ブラジルについで世界第6位で日本の約60倍。
  • GDPは3700億ドル。この値は為替レートや年によってかなり変動するが、おおむね、韓国やオランダと同程度で11位前後にあるという。ちなみに日本は3兆8000億〜4兆4000億程度。
  • 外務省資料(但し1994年)によれば、オーストラリアの一人あたりの国民総生産額は24,950ドル。ちなみに日本は34,630ドルで3位。資料が古いので現在はもう少し変わっているはずだ。
  • オーストラリア側から見た相手国別の貿易学は、輸出先では日本がトップ、輸入元は米国がトップで、輸出入合計額では日本が米国と並んでトップ。
  • オーストラリアの日本語学習者は1998年の統計で約30万人。これは韓国に次ぎ第2位。もっとも、人口あたりの学習者で比較すると60人に一人となり、韓国や中国を遙かに凌ぐ高率となる。
  • 外務省資料によれば、日本からの旅行者が多い国としては、オーストラリアは74万人で第6位。逆にオーストラリアから日本に来る人は10万人にも満たない。
  • 外務省資料によれば、オーストラリアの平均寿命は78歳で世界2位タイ。もっとも世界1位の日本とは1歳程度しか違わない。
  • 外務省資料によれば、人口100人あたりの車の台数の多い国としてはオーストラリアは世界6位で56.9台。
 以上のような概要であるが、飛行機で東側を北上する際に眺めた限りでは、行けども行けども農耕地ばかりの平らな大陸という印象を受けた。

 経済的な豊かさはまだまだ日本のほうが上かもしれないが、広い敷地、緑いっぱいの都市で暮らす時の快適さはオーストラリアのほうが遙かに上だろうと思う。ワーキングホリディなどで渡航した日本人が、その後、永住権をとって移住してしまうのはそうした住みやすさに一因があるのかもしれない。

 もう1つ、オーストラリアの日本語学習者数は、バブル崩壊後の日本経済低迷の影響もあり、一時期よりは減っているとの話を聞いた。せっかく日本語を学ぼうという人がたくさん居るのに、ほったらかしをしておいてよいものか。日本語を学ぶ人たちが増えれば、現地では日本語のガイドや通訳として活躍してもらえるし、日本では英語教師としても雇用できる。日本人が一方的に英語を学ぶことばかりを奨励せず、少なくとも同じ比率で海外の日本語学習者を増やすようにもっと施策を講ずるべきであると思った。
【ちょっと思ったこと】

文句は言ってみるもの

 アデレードでは、スタンフォード・グランドホテルに宿泊した。JTBの『ワールドガイド:オーストラリア』によれば、このホテルは「どの客室からもセント・ヴィンセント湾か、緑あふれるアデレード・ヒルを見渡せる」と記されており、さぞかし眺めがよいものと期待していた。ところが到着後に割り当てられたのは3階の狭い部屋で、窓の外は立体駐車場になっていた。おまけにバスタブが無くシャワーのみであった。
[写真]
 さっそくフロントに出向いて「バスタブつきのオーシャンビューに変えてほしい」と要求するがその夜は客室満室で移れる部屋が無いという。翌日も「バスタブは保証するがオーシャンビューは分からない」との返事だったが、結果的に、上のような写真が撮影可能な海の見える所に部屋替えすることができた。

 私だけの偏見かもしれないが、「日本人は悪い部屋でも文句を言わない」と思われているのか、何も言わないと眺めの悪い部屋や、男二人なのにダブルベッドの部屋に通されるなど悪い待遇を受ける場合が多いように思う。予約のしかたや料金交渉にもよるだろうが、不当な扱いを受けたと思った時はきっちりと自己主張しておいたほうがよいのではないかと思う。



この連載は、まだ続きます