8月19日(木)

【イランで思ったこと(1)】
990819(木)[旅行]イランについて誤解していたこと
[今日の写真]  不定期連載となるが、イラン皆既日食観測ツアー中に思ったことを忘れないうちに記しておきたいと思う。ここに記されることは事実ではあるが、あくまで観光客の目から眺めた範囲の情報にすぎない。ガイドさんも、わざわざ自国の印象を悪くさせるような事物までは紹介したがらないであろう。そのことをふまえた上でお読みいただければ幸いです。

第1回目は、イランについて誤解していたことをいくつか。
  • イランというのはイスラム教の戒律が最も厳しい国の1つであり、どの町でも拡声器からコーランが流れ、国民全員がすべての職務に優先させて毎日3度のお祈りを欠かさずに続けているものだと思っていた。ところが、現実には、町の中でコーランを聞くことは一度もなかった。昼のお祈りの時間に町の人がモスクに集結する気配も無い。複数のガイドさんにも聞いてみた限りでは、お祈りをするかどうかはあくまで個人の自由であること、ガイドさん自身は年をとったらまとめてお祈りをしてお詫びするなどと言っておられた。
  • 暑い国であると思っていたが、日本の夏よりは遙かに過ごしやすかった。もちろん日中は30度以上になるけれど、木陰に入るとたちまち5度ぐらいは体感温度が下がる。長袖のポロシャツを着ていて蒸し暑く感じたことは一度も無かった。また、夜はおそらく20度前後まで気温が下がる。ホテルはエアコンが完備していたけれども、窓を開けても十分に安眠できる涼しさだった。
  • 乾燥地帯なので水不足かと思っていたが、訪れた町はどこも豊富に水があった。これは山地が多く、川や地下水が利用できるため。もっとも見方を変えれば今度の地球温暖化の影響をもろに受けやすいような気もした。
 全体的な印象としては、「晴れの国」がピッタリ。左上の写真(テヘランのホテルの部屋の窓から撮影)にあるように、ごつごつした砂礫の山の麓に緑の町並みが広がる。飛行機から眺めると、月や火星に巨大都市が出現したような感じがした。