じぶん更新日記

1997年5月6日開設
Y.Hasegawa

2月のインデックスへ戻る
最新版へ戻る

[今日の写真] 胡蝶蘭と娘の内裏びな。胡蝶蘭は3年目の株。





2月27日(水)

【ちょっと思ったこと】

85頭のクジラと落書き牛ペット化で気がかりなこと

 2/26〜2/27の新聞記事の中に、見出しは小さいが見過ごすことのできない話題が2つほどあった。いずれも動物に関するものである。

 2/26の朝日新聞記事によれば、茨城県・波崎海岸で、カズハゴンドウクジラ85頭が波打ち際に打ち上げられているのを町職員が見つけ31頭は救出、しかし残り54頭は死亡したという。この種類はいずれも体長2〜3mということなので、1月下旬に鹿児島県・大浦町に打ち上げられた14頭のマッコウクジラに比べると遙かに小さい。しかし、85頭といえば想像を絶する大群である。環境ホルモンの影響か、クジラ型のプリオン病が発生したのか、何も調べなくてよいのだろうか。

 それと、これほどのクジラが事前に発見できないとすると、どこかの国から小型潜水艦で工作員を送り込まれても察知できない恐れがある。防空ばかりでなく、海からの侵入にももっと警戒を強める必要があるように思う。

 つぎに2/27の朝日新聞「青鉛筆」によれば、熊本城内に1月「小泉HELP」などと落書きされて放置された雌牛6頭の入札会が26日に行われ、計46万2千円で落札されたという。このうち2頭は県酪農協連合会が落札し施設で放牧、残り4頭は食肉処理販売業者がペットとして飼うという。また落札金は、動物愛護法違反事件として熊本北署が証拠品として保管するという。

 この落札で疑問に思うのは、食肉処理販売業者がなぜペットとして4頭もの牛を飼うのかということだ。高齢者福祉施設ならばアニマル・セラピー用ということも考えられるが、いっぱんには牛のペットというのはあまり聞いたことがない。ペットとして1週間飼育してから牛肉に化けるということはあるまいなあ。
【思ったこと】
_20227(水)[教育]英国の大学事情

 FDの一貫として、英国Southampton大学・Centre for Learning and TeachingのH.Mathias(マサイアス)博士の講演を拝聴した。今回は英国の大学事情についての紹介が中心であり、教職員のほか学生も多数参加した。

 講演は原則として英語で行われたが、教育学部の先生が分かりにくい用語等について解説を入れてくれたので大助かりだ。知らなかった単語をメモがわりに挙げておくと
  • League tables: 各指標による大学ランキングのようなもの
  • Outputs: 大学の社会貢献一般
  • Modular credits system: 単位認定に関して「Each module has a credit rating.」のように使われる。
 英国の大学進学率は日本ほど高くはない。10年前で対象人口の1/4程度、これを何とか50%に高めようとしているらしいが、昨年やっと35%に達したところらしい。やはり貴族を頂点とした階級社会が根強く残っているのだろう。

 面白いのは「Generic Skills(「一般技能教育」とでも訳すか)」として
  • Communication skills
  • Working in teams
  • People skills
  • IT skills
  • Self-management skills
  • Research skills
  • Working independently
などを磨く教育がカリキュラムに組み込まれているということだ。私自身も下手な英語で質問してみたが、岡大の一般教育に比べるとかなり実学的な感じがした。

 そのほか面白いと思ったのは、学生が「大学に求めるもの」と「いちばん困っていること」のランキングである。

 前者では「就職」や「知的関心を充たす」などのアカデミックな面ばかりでなく「友達に出会う」「実家から離れたい」なども挙げられていた。男女差について質問しようと思っていたが機会を逸してしまった。

 後者に関しては「お金が足りない」「借金を抱えている」「アルバイトが忙しすぎる」などお金に関する問題が上位を占めていた。少し前に支給型の奨学金が廃止され、貧乏な学生はローンに頼らざるを得なくなったことが大きな問題になっているようだ。

 世襲制の階級社会を連想してしまいがちな英国であるが、大学教育に関しては米国型の発想や制度がかなり取り入れられているとの印象を受けた。なお、引き続いて、2/28と3/1にも講演が予定されている。