じぶん更新日記

1997年5月6日開設
Y.Hasegawa

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[今日の写真] 春を待つ恩原湖(2/25撮影)。





2月26日(火)

【ちょっと思ったこと】

2月が「大の月」である理由

 天文年鑑によると2月28日の月は、1年を通じて見かけ上最も大きく見えるという。視直径は33’29”となり、最遠時の時より4'、およそ月の直径の1割以上も大きさが違うのだという。

 大きさが1割以上も違うということは、人間で言えば、身長が20cmも違う2人を比べるほどの違いだ。もっとも、「月の錯視」として知られているように、月の見かけの大きさは、地平線近くにある時と天頂付近にあるときで最も異なるように見える。実際の視直径の違いに気づかれないのは興味深い。
【思ったこと】
_20226(火)[教育]教養科目における平常点と期末試験得点との相関

 毎年、半期1コマ分の教養科目「こころの科学」を担当しているが、FDの一環として今年度から、
  1. すべての回において、パソコン画面の投影(主としてパワーポイントを用いた教材資料)と教科書を併用
  2. すべての回において、5分から10分程度の小テスト(シャトルカード利用)実施
による改善を試みた。今回は2.の成果について考えてみたいと思う。

 ここでいう小テストというのは、各回の終わりの頃に、その授業で扱った内容について出される問題。受講生はシャトルカード(A4大の厚紙、各回5行分の解答欄がある)にその答えを書き込む。授業内容を聞き取っていないと答えることができないところが、名前だけ書き込めばよいという出席点とは異なっている。それらの解答内容と期末試験成績は、40:60の割合で最終評価に反映させるというものだ。全受講生89名の結果を図示したものが下のグラフである[縦軸の期末試験成績は100点満点のままで表示されている]。

[Image]

 平常点と期末試験についてピアソンの相関係数を求めたところ、0.6252というまあまあの結果を得た。しかし、このデータには、履修登録だけして一度も授業に来ない(もちろん期末試験も受けない)学生の成績も含まれている。平常点で50%以上(20点以上)得点し、期末試験を受験した学生だけについて眺めると、それほど相関は高くないように思われる[2/27追記参照]。

 期末試験は全問記述式で応用性がありしかも難易度を高くしたため、毎回授業を出席していただけでは必ずしも高得点はとれない。試験前に教科書や授業用Webサイトを活用した予復習をどれだけやっていたのかが期末試験成績に反映したとも考えられる。

 そもそも相関が1であるならば、平常点か期末試験かいずれか一方だけで評価すれば済むことになるので、この程度のバラツキがあったほうが「多元的な成績評価」の趣旨に合致するとも言える。

 それにしても、これだけ平常点を重視しても、なお遅刻や欠席が多いのが気になるところだ。月曜日1コマ目(8時40分〜10時20分)に開講ということと、履修登録の上限制が比較的緩やかであることも一因かと思うが、他の授業でも同じ傾向が見られるのかどうか情報を集めてみたいと思う。

2/27追記]
履修登録のみ、最初の2〜3回出席しただけで受講をとりやめた学生、期末試験を受験しなかった学生それぞれのデータを取り除いた64名の相関係数は0.099であった。グラフをこちらに示す。
 ちなみに、出席率が非常に悪い学生は期末試験受験を辞退している可能性も考慮に入れなければならない。つまりわざわざ「不合格点をとるために試験を受ける」学生は居ないので、「出席率の悪い学生は期末試験で悪い点しかとれない」というデータを収集できていない可能性もある。