じぶん更新日記

1997年5月6日開設
Y.Hasegawa

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[今日の写真] 妻の活け花。お題は春。





2月2日(土)

【ちょっと思ったこと】

妻にやりこめられる

 2002年2月2日は、2ばかりが並び、夫婦にとっておめでたい日だ。子どもたちは学校。妻はストーブの前でゴロゴロしながらTVばかり視ている。たいがい娯楽物だ。
  • そんなところでテレビばかり視ていても何も発展しない。少しは、○○さん(某Web日記作者)みたいにWeb日記でも書いたらどうだ。
  • 何言ってるのよ。あなたなんて、何年日記書いてもちっとも変わらないじゃないの。
  • いや、日々研鑽、少しずつ変わっているはずだ。
  • そんなことないわよ。あなたいつも家では皮肉か文句ばっかり言っていて、何もしないじゃないの。△△さんのご主人なんか、家に居るときは何でもしてくれるのよ。
  • いやいや、日記を書けば、内面が深められるというところもある。
  • あれ、あなたって、行動何たら心理学やっているんじゃなかったの。行動が変わらなければダメなんでしょ。じぶん更新なんて偉そうなこと言っているくせに、家の中の行動がちっとも更新できてないじゃないの。
  • わははは。わははは。わははは。


【思ったこと】
_20202(土)[一般]ワールドカップは19言語/2バイト系文字使用族が優位に立つ日

 2/2の朝日新聞によれば、サッカー・ワールドカップに出場する32チームの公用語は、主なものだけで19言語にのぼるという。一覧表を見て面白いと思ったのは、英語よりスペイン語のほうがたくさんのチームで使われているということだ[以下、同一チーム内で複数の言語を使用するチームもある]。
●スペイン語:スペイン、アルゼンチン、エクアドル、メキシコ、ウルグアイ、パラグアイ、コスタリカの7チーム。
●英語:米国、イングランド、アイルランド、ナイジェリア、カメルーン、南アフリカの6チーム。
このほか、フランス語(5チーム)、ドイツ語(2チーム)、ポルトガル語(2チーム)、アラビア語(2チーム)などとなっている。英語の国際語化が進んでいるとはいえ、サッカー選手のすべてが英語を話せるわけではない。会場を分散させてしまっただけに、それぞれの地域でボランティアの特訓や通訳の確保に追われているとのことだ。

 もっとも、今の時代、ケータイ1つで何とかなってしまうというのがスゴイ。選手が一人でタクシーに乗ろうが道に迷おうが、中央コールセンターに電話をかければ、あとは待機する通訳がちゃんと話をしてくれるらしい。サッカーに限らず、旅行者と現地の人(案内カウンタやお店の人)と通訳センターとの間で3者通話ができるようなサービスが普及すれば、海外旅行もずいぶん楽になるに違いない。もっとも、声だけで伝えられるかどうか、通訳スタッフが確保できるか、といった不安も残るけれど。




 ところで、一週間ほど前の1月25日、「世界覆う英語の洪水 経済力背に共通語化」という記事が朝日新聞にあった。それによると、アイスランドのように、外来語の「侵略」から自国語を守るために、外来語を自国語に翻訳する公的機関が設置されている国もあるという。韓国の済州島では英語を第2公用語にする計画が浮上したものの、「ハングルは民族の魂だ」という反対論や、「公用語は国民のために存在するもので、外国人の便宜を図るものではない」という政府見解により下火になったという。さらにパレスチナのように、「英語は学んでも、文化的に英米化することは避けるように注意」しつつ、アラブ社会の話を中心とした英語教材を使っているところもあるという。最後の点に関しては、鈴木孝夫氏の『日本人はなぜ英語ができないか』(岩波新書)でも、日本の英字新聞を教材に使う意義や、英語で日本文化を発信する意義が強調されている。




 「世界覆う英語の洪水 経済力背に共通語化」(1/25)のほうの記事にはまた、
  • 非英語圏の英語人口が近い将来、母語として英語を使う人々の数を追い抜く。
  • 英語圏の人々は、ほかの言語を知らなくても事足りるため、語学修得意欲が薄れている。
  • 「英語しか話せないと、国際競争から取り残される」という警鐘が米英で鳴らされ始めている。
といった記述があった。

 では、英語しか話せない人に比べて、日本語と英語が両方使える人にはどんなメリットがあるだろうか。

 まず、ヒミツの打ち合わせができる。米国人と日本人が集団で討議をしている時など、米国人どうしの囁きはちょっと耳を澄ませば筒抜けになる。いっぽう、日本人どうしなら、どんな大きな声で妥協案をさぐっても、あるいは米国人の悪口を言っても相手にはさっぱり分からない。

 次に海外旅行の便利さという点だが、日本人ならば、米国やカナダやオーストラリアのスーパーマーケットで欲しい物を簡単に手に入れられる。ちょっとした辞書があればまず間違わない。いっぽう、米国人が日本にやってきたらどうか。国際空港ならともかく、町中で一人で買い物するのは容易なことではない。いぜん横浜で国際会議があった時、ある米国人と一緒にスーパーで買い物をしたことがあったが、その人は豆腐をチーズと間違えて買おうとしていた。高速のサービスエリアの券売機などにも英語表示はない。一人で旅行するには、漢字や仮名を読みとる学習が必要だろう。我々が英語を学ぶのは、けっきょくは自分たちの行動リパートリーを増やすため。英米人へのサービスではない。英米人が来ても儲からないような場所では英語の表示は行われない。いっぽう、英語圏の国内では、日本人が来ても儲からないような場所でも英語表示があるので、われわれ日本人はすべてを知ることができるのである。

 そのほか、これは別の機会に詳しく書こうと思っているのだが、我々が2バイト系の多様な文字を持っていることと、パソコンに文字列変換機能を搭載していることのメリットは計り知れないものがあるように思う。早い話、私など、この日記のタグはすべて漢字変換機能を利用して手入力しているけれど(たとえば「h」と入力してスペースを押すと「<HR width="80">」や「<HR width="80">」という変換候補がすぐに表示される)、英文字だけの入力環境ではそんな芸当はできまい。この変換機能は、少数回のキー打ちで豊富な情報量をもった記号列を生み出すという点で思考支援にもなるはずだし、将来は翻訳補助機能としても進化する可能性を秘めている。国際サッカーの公用語は、英独仏西語とすべて1バイト系語族があぐらをかいているようだが、知的生産能力において2バイト系文字使用族が1バイト系文字族を超える日はそう遠くはないように思える。