じぶん更新日記

1997年5月6日開設
Y.Hasegawa

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[今日の写真] 農学部農場の畑おこし。今日も霜が降りていた。





2月1日(金)

【ちょっと思ったこと】

岡山の「勝ち組」企業

 夕食時にNHK「ふるさと発」というローカル番組を視た。倒産企業が続出しているなかで、着実に売り上げを伸ばしている「勝ち組」企業の話。この日に紹介されたのは、
  • スペースシャトル内装の引き合いまであるという「四軸織物」
  • 地図の細かい部分までパソコン画面に表示する「デジタル画像制作」
  • プラスチック磁石
の三社。岡山の自慢というと、桃太郎と瀬戸大橋とマスカットと日記書きぐらいしか浮かばないが、このような、世界に名を知られる優良企業があるとは意外であった。

 番組では勝ち組の秘訣として
  1. 発想が命運を握る
  2. 無駄と思っても試作をする
  3. プロジェクトXをあきらめない
  4. 人的ネットワークを築く
  5. どんな難注文も拒まない
の5点を挙げていた。もっとも口で言うのは易しいが、「発想」と言ったってそんなに簡単にできるものではないし、人的ネットを築くのも並大抵のことではない。諦めるなと言いつつも、切り替えのタイミングもまた重要。結局のところ、勝ち組だからこそ口にできる秘訣か。




妻のケータイ願望を阻止できるか?
  • ねえ、今度の私の誕生日にケータイ買って?
  • そんなもの買ったら、「いまどこに居る?」、「早く帰ってこい」とか、しつこく電話してやるんだから
  • でも、番号確認だってできるんでしょ。あなたからの電話はぜんぶ受信拒否しちゃうからいいわよ。そういえば、ケータイとメールってどう違うの?
  • なっ、なに? そんなことも知らないで使ったらたいへんだ。いつのまにか、国際電話につながって何十万円も電話代とられてしまう。それに、ウイルスメールが何十件も届いてすぐに壊されてしまうんだから。それとどうせ町中で使うんだから、PHSのほうが便利じゃないかな?
  • ケータイとPHSってどう違うの?
  • なっ、なに? そんなことも知らないのか。ケータイを安全に使うには、インターネットの原理とか、SMTPやPOPの設定方法とか、html文書の作り方を覚えなくてはいけない。よし、まず、私が、資格試験を作ってやろう。で、合格したら買ってやろう
  • 誰がそんなもの受けるもんですか。いいもん、私買っちゃうもん。
  • いや、待て、確か50歳になるとシニア割引というのがあるはずだから、私の誕生日まで待ってくれ。
  • そんなことしなくてもいいのよ。娘の名前で契約すれば、学割がきくんだから。
  • いや、それはいかん。そんなことしたら娘が出会い系で誘拐されてしまうぞ。そうだ、まず、パソコンでEメイル送る練習をしろよ。教えてやるから。
  • だめよ、あなた、電話代もったいないとかいってすぐ怒り出すんだから。このケチクソ野郎。
と、会話はさらに続く。果たして、妻のケータイ願望をくい止めることができるだろうか。
【思ったこと】
_20201(金)[心理]地域通貨とエコマネー(8):3大通貨の「円」より地域通貨か

 2/1の朝日新聞経済欄に、『マネーの将来』の著者のベルナルド・リエター氏へのインタビュー記事が掲載されていた。リエター氏は1942年生まれ。ベルギー中央銀行で欧州通貨単位ECU(ユーロの前身)の立案にかかわり、現在は米カリフォルニア大バークレー校の持続可能資源センター研究員であるという。

 インタビューの中では
  • 通貨発行益(シニョレッジ)の話
  • 国家通貨が唯一の『本当の』お金であるという考えに慣れ過ぎ、希少であるお金を手に入れるために競争するのが当たり前と思ってきたこと
  • モノとサービスの総貿易額の100倍近い外国為替取引額から分かるように、通貨が投機の道具になっていること
などに言及されていたが、加藤敏春氏の『エコマネーの新世紀』にもほぼ同じ内容が書かれてある。インタビューの後のほうで、「日本では加藤敏春氏が唱える『エコマネー』や堀田力氏が進める『ふれあい切符』を始め、地域通貨の先駆的な取り組みが各地で広がっている。その経験を世界に発信できるではないか。通貨覇権の争いより、よほど人類に貢献する」と、加藤氏のお名前を挙げていることからみると、たぶん交流があるのだろう。

 もっとも、加藤氏の著作にもあるように、「ふれあい切符」は「ボランティア経済+債権債務関係」、「エコマネー」は「ボランティア経済+信頼関係」というように、やや性質が異なっている。さらに「地域通貨」は「貨幣経済+信頼関係」であるというから、ますます複雑である。この区別を曖昧にして一緒くたに効用を論じることはできまい。やはり、何を目的に活用するか、その地域の伝統文化にどうマッチさせるか、「債権債務vs信頼」という対立軸を行動随伴性でどう表現するのか、など課題は多い。商店街の客寄せ対策と取り違えてはいけない。

 ところで、このリエター氏は“主著「マネーの将来」(邦訳は「マネー崩壊」)に続き、近著「マネー」ではお金と人間心理の関係を分析している。”という。人間心理となればぜひ拝見してみたいものだ。さっそく洋書検索をかけてみよう。ええと、まさかドイツ語ということはあるまいな。