じぶん更新日記

1997年5月6日開設
Y.Hasegawa

8月のインデックスへ戻る
最新版へ戻る

[今日の写真] 大山の豪円山中腹にて毎回撮影している定点写真。下段は、8年ほど前。ネット上での掲載許可が出ないため、私以外の顔写真はマスクをかけております。



8月9日(木)

【思ったこと】
_10809(木)[生活]子どもたちは育ち、親は老いる

 8/7から8/10まで大山と神郷町の「山の家」に滞在した。岡山大学では教職員の福利厚生用に、毎年、借り上げ型の「山の家」を開設している。抽選による受付となっているので確実というわけにもいかないが、今回は、8/6の大山が落選、8/7の大山と8/8の神郷町は無競争、8/9はいったん落選したもののキャンセルが出たため、結果的に3泊4日の旅行となった。
  • 8/7:島根半島の北浦で海水浴
  • 8/8:鳥取花回廊を経由して神郷町へ。
  • 8/9:神郷町で下手なテニスや温泉を楽しみながらのんびり。
  • 8/10:岡山に戻る。
 大山と神郷町には7〜8年前からほぼ毎年訪れているが、息子は高校の補習、娘は中学のクラブの練習などがあり、日程の調整が難しくなった。いずれ子どもたちも、家族旅行より、友達どうしの旅行、さらには、それぞれ結婚して別々の家族旅行に出かけることになるだろう。

 上の写真にもあるように、毎年のように同じ場所を訪れていると、子どもたちの成長と親の老いばかりが目立つものだ。かつては、荷物運び、室内清掃、自炊準備などは、すべて妻と二人でやっていたものだが、今では子どもたちが手伝ってくれるようになった。神郷町では、下手なテニスを毎年楽しんでいるが、今では子どもたちのほうが遙かに上手になってしまった。

 「家庭というのは、独立した個々人が、一定期間、時間と場所を共有する場にすぎない」という見方もある。このメンバーであと何年続けられるのか、そういう意味では、貴重な4日間であった。
【ちょっと思ったこと】

『白い犬とワルツを』

 神郷町の山の家で8/9朝に見たTV番組によれば、『白い犬とワルツを』という、妻に先立たれた老人が白い犬に出会い死を迎えるまでを描いた作品が“奇跡のベストセラー”になっているとか。

 出版当時には殆ど関心を集めなかった本が、今年4月以降に突如売れ始めたという点が「奇跡」なのだという。

 番組によれば、この流行の仕掛け人になったのは、津田沼の「BOOKS昭和堂」の木下和郎(38)さん。読書好きの木下さんは、この本を読んだ感激を伝えようと、今年3月に

老人の子どもたちには白い犬は見えなかった
それが見えるようになった時は鳥肌もの
というような(長谷川の記憶によるため、表現は不確か)特製のPOPをつけて平積みにしたところ、4月になって10倍を越える売り上げを記録。それに注目した出版元の新潮社が増刷、木下さんのPOPのキャッチコピーを全国の書店に配り突如ベストセラーになってきたという。

 情報が氾濫している現在、消費者の自主的な判断だけで売り上げが増えることはまずない。反面、ありきたりの宣伝では効果を上げない。この種のジャンルの作品はもともと不安の時代にヒットする可能性を秘めているという説もあるらしいが、読書好きの本屋さんによる読者本位の宣伝活動と、書店での売り上げの変化を的確に察知して増刷とキャンペーンに踏み切った出版担当者の機転が噛み合った成功体験として語り継がれることになりそうだ。

 ちなみに、木下さんは、他の本についても「少し立ち読みをするなら 何頁の...を」というようなユニークなPOPを出しているとか。いちど訪れてみたい本屋さんだ。

 余談だが、このTV番組、作品を紹介した点は良かったのだが、サービス過剰というか、こともあろうにその結末部分までを朗読してしまった。「それが見えるようになった時は鳥肌もの」という木下さんのPOPを台無しにしてしまうような勇み足であった。視聴者からもクレームがつけられた模様。