【ちょっと思ったこと】
「8万7157人」vs「1276人」とは??
7/21の朝日新聞の特集記事の中に、日米間交流の広がりについての資料があった。数値は1965年と2000年を比較したものであったが、その「交流の歪み」に驚く。
- 日本から米国への渡航者総数は507万3673人(1965年は4万6603人)。いっぽう、米国から日本への渡航者総数は74万9343人(1965年は1万353人)。1965年当時に比べると総数は大幅に増えているものの、日本からの渡航が大幅超。
- 上記のうち、日本から米国への留学生は8万7157人(1965年は1348人)。いっぽう、米国から日本への留学生は1276人(1965年は191人)。
- 日本から米国への輸出額は15兆3558億円(1965年は665億円)。米国からの輸入額は7兆7788億円(1965年は665億円)。
日本と米国との不均衡というとすぐに貿易のことが頭に浮かぶが、渡航者や留学生の数において遙かに大きな隔たりがあることがよく分かった。けっきょくのところ、戦後50年たっても日米交流の本質は
- 米国に行って教えてもらうこと
- 米国で活躍すること
- 日本で作ったものを買ってもらうこと
- 米国経済を損ねない形で儲けさせてもらうこと
を超えることはできないのだろうか。サミットでの日本の態度もその延長上にあるのだろう。
将棋倒し事故
7/21の20時25分頃、兵庫県明石市のJR朝霧駅に通じる歩道橋上で、花火見物の見物客が将棋倒しとなり10人が死亡、113人がケガをしたという。亡くなったのは、2歳から9歳までの子供8人と、70歳以上のお年寄りが2人。この種の事故ではどうしても、小さい子供たちとお年寄りが犠牲になってしまう。
この事故について、7/22朝のNHKニュースでは、警備会社と環境心理学者によるコメントが紹介されていた。このうち警備会社は
- ロープで人の流れを作る
- 時間帯により一方通行とする
- 狭い通路の入口では入場制限を行う
などが常識であるとコメントしていた。実践経験に基づく具体性のある内容であり、おそらく、そうした対策がとられていたかどうかが、主催者側の責任を追及する決め手となるのだろう。
一方、環境心理学を専門とするS・早大名誉教授のコメントは
- 逃げ場の無い歩道橋上での事故だった
- 一カ所に人を集めないようにする
- 人の流れを予測し、警備員を適切に配置する必要
というものであった。おそらく時間的な制約により大幅に要約されてしまったものと思うが、もし、上記のような、具体性の無い、当たり前のことしかコメントできないのであれば、何も言わないほうがマシだったと思う。
|