じぶん更新日記

1997年5月6日開設
Y.Hasegawa

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[今日の写真] 向日葵。梅雨明け間近の青空に輝く。



7月10日(火)

【思ったこと】
_10710(火)[心理]Web日記執筆は「若年性健忘症」の防止に役立つか?

 夕食時にNHKクローズアップ現代「どう防ぐ若年性健忘症」を見た。子供や若者の間で、大脳46野が関与する、短期の記憶の貯蔵・取り出しのプロセスがうまく機能しない健忘症が増えているのだという。10分ほど遅れて見始めたため、「増えている」ことをどうやって実証したのかは分からなかった。単に印象としてそう言っているのか、新しいタイプの学習障害が問題になっているのか、特定分野の学力低下が著しいのか、興味深い問題である。

 仮に若年性の健忘症が増えているとしても、原因を特定することは難しいのではないかと思う。出演者(複数)は、
  • 電卓利用により暗算をする機会が少なくなった。
  • 人間関係が希薄となり、相手の表情を読み取ったり、相手との間に生じた問題を解決する機会が減った。
などを挙げておられたが(←長谷川の聞き取り・記憶によるのであやふや。念のため)、別の原因で生じている社会現象の特徴を勝手にこじつけているだけかもしれない。確かに、そろばんや筆算で計算する機会は大幅に減ったけれど、反面、情報社会の中で、数字列や文字列をを短期的に覚える必要は増したようにも思える。またロールプレイング型のTVゲームで遊ぶ場合には、敵の弱点や武器、防具などの特徴を覚えておき瞬時に操作する必要がある。これらは何かしら46野の活性化につながっているはずだ。となると、栄養管理面とか生活スタイル変化などもう少し別の面からも原因を探ったほうがよいのではないだろうか。

 番組ではまた、野外キャンプで創造的な協同作業に従事することが大脳46野の活性化につながるという実験結果を紹介していたが、これも今ひとつ説得力に欠ける。実験では、作業検査型の記憶テストにおける誤反応の発生数が、キャンプ前の平均3.5回からキャンプ後には1.5回に減少したということを根拠としていたけれど、単にキャンプで休息をとったせいかもしれないし、適度に体を動かしたせいかもしれぬ。自然にふれるだけでも効果があったかもしれない。

 さて、番組タイトルの「どう防ぐ若年性健忘症」の話だが、出演者からは次のような予防法が提唱されていた(長谷川の聞き取りのため、番組と字句が一部異なるかもしれない。念のため)。
  1. 毎日、家族以外の人3人以上と話す。
  2. 1日10分、文章を書く。
  3. 1日20分、外を歩く。
これを見ておや?と思った。私だったら
  1. 毎日、家族以外の人3人以上と話す。→毎日のように委員会で論議したり、学生と卒論研究などについて話をしている。合格!
  2. 1日10分、文章を書く。→出張や海外旅行など特別な場合を除き、毎日必ずWeb日記を書いている。合格!
  3. 1日20分、外を歩く。→夕食後に夫婦で散歩している。合格!
となり、全部合格ではないか。となると私の場合には、健忘症は起こりにくいはずなんだが、よく考えれば私はすでに若年ではなかった。7/10の授業でも島倉千代子の名前が思い出せずに恥をかいたし、先日は御三家の一人の西郷輝彦の名前も出てこなかった。短期はもちろん、長期記憶の取り出しの衰えが気になるこのごろであるが、だからこそ、備忘録がわりに日記を書いているのだとも言える。

※7/11追記]上記の研究のうち、GO/NO-GO実験に関するものは寺沢先生のサイトで紹介されている(出典のみ)。その後、hyoukokuさんから番組放送記録のページを教えていただいた。どうもありがとうございました。「1日10分間、文章を書く。」というのは、「とにかく自分の手で書くことが大切。」だそうです。
【ちょっと思ったこと】

コオロギの鳴き声とアオマツムシ

 朝、非常勤講師先に向かう途中、NHKラジオでコオロギなど秋の虫に詳しい方の話を聞いた。(お名前は失念したが)その方によれば、コオロギの鳴き声も、ライバルのオスに勝ってメスの前で誇らしげに鳴く時と、メスに相手にされず失恋状態で鳴く時では違いがあるのだという。もっとも、私にはそれらを聞き分けることはできなかった。

 都会化が進む中でクツワムシのように激減した虫がいる反面、人工的環境に適応して勢力を拡大した種類もあるという話も面白かった。例えば、樹上で甲高い声で鳴くアオマツムシは、都会の街路樹に適応して全国に広がっていたという。また、種名は忘れたが、かつて河原の石ころの間に生息していた虫が、線路下の石ころの間にうまく適応したという話も興味深い。

 ちなみに岡大構内では、今でもマツムシ(←上記のアオマツムシではなく、チンチロリンのマツムシ)の声を聞くことができる。除草剤を多用せず、適度の草むらを残していくことも必要かと思う。
【スクラップブック】
  • 国連報告書によれば、日本の生活水準は昨年同様の世界第9位。技術大国の座を維持できないのではとの指摘もあり。