じぶん更新日記

1999年5月6日開設
Y.Hasegawa

[今日の写真] 甲斐駒ヶ岳(正面、2967m)と北岳(左後ろ、3192m)。フィリア美術館横の空き地から撮影。上高地などと違って北斜面を眺めるため逆光になってしまう。朝夕に赤く染まる時のほうが美しく見えるかも。

12月22日(水)

【思ったこと】
991222(水)[一般]「てるくはのる」の取材はお断りだ

 3泊4日で東京〜清里に行っているあいだ、Y新聞社から大学宛に私の連絡先を教えてほしいとのしつこい問い合わせがあったという。21日の真夜中には事務長の自宅宛まで電話をかけてきたとか。確かに私は携帯電話は持っていないし、自宅の電話番号は電話帳にも大学の職員録にも掲載していない。連絡を取りたいという熱意は分かるとしても、真夜中に事務長の自宅まで問い合わせるとはちょっと非常識ではないかなあ。そういえばこの新聞社は以前にも真夜中1時すぎに電話をかけてきたことがあった。いい加減にしてほしいものである。

 事務長から伝え聞いたところでは、この新聞社の取材目的は、京都の小学校で小2の男児が殺害されたことに関連して犯人と思われる男が残した「てるくはのる」の謎解きをやってほしいという要請であったという。前回の真夜中の電話は、神戸の「酒 鬼 薔薇 聖斗」。いずれも、かつて私が宮崎勤被告のメモの謎解きに関与したことからどこかのデータベースに私の名前が残っていたためだと思うけれども、そんなことの相手をするのはまっぴら御免。犯人が注目を集める目的でばらまいた暗号?の御相手をしてやったらまさに犯人の思うつぼではないか。「どうせ解けないから負け惜しみを言っているんやろ」と思われるのはシャクだけれど、そもそも私は今の時点で犯人の御相手などするつもりはない。そういうことに時間をかけるのは無駄だと思っている。

 かつて私が宮崎勤被告の謎解きを試みたのはあくまで犯人が逮捕され、実名が公開されたあとのことである。被告が被害者の遺族に遺骨を送りつけた時に付されたメモ(“○○[被害者の名前]、遺骨、焼、証明、鑑定”)をローマ字で表記して並び替えると、被告のフルネーム(但し、宮崎はミヤサキと読む)を含む「ミヤサキ ツトム 箱に詰め消え」という文ができあがるという指摘をしたものであった。これは事後的にフルネームを当てはめていったまでのことであって、逮捕以前に犯人の名前を割り出すことには決して役立たない。例えば少々不謹慎な表現になってしまうが、同じ文字列から「○○○○ ○○○ 今日特に綺麗」(○の部分には私の妻の旧姓のフルネームが入る)という文だって作ることができるのだ。要するに、この謎解きが役立つとするならばそれはM被告の犯行の残虐性、計画性を裏付ける証拠の1つになりうるかもしれないというだけのこと。それ以上の価値は無いと考えている。

 さて、元の「てるくはのる」は、娘が丸暗記しているくらいだから小学校の児童の間でも話題になっているのだろう。12/23のテレビ欄を見ても「京都小2殺害謎の声明文」(瀬戸内海テレビ)、「てるくはのるの秘密と犯人像をプロファイル」(西日本テレビ)などのタイトルが目につく。しかし、この事件で本当に問題にしなければならないのは、(「声明文」どおりの犯行であったいうことを前提とした上での話になるが)「学校への恨み」が学校という教育組織ではなく、そこに通っているにすぎない一児童を殺害するというように転化してしまったことであろう。もちろん、現時点では動機が別にあった可能性も否定できないが。

 話は変わるが、12/21〜12/22にはこのほかにも、臨界事故で被曝した大内さんが亡くなられたこと、横山ノック知事が起訴されたこと、大阪摂津市で小2の女児が誘拐され保護されたニュースなどが次々と伝えられている。いずれの場合も、
  • その事件はどういう社会現象の確立操作として機能しているか(=その事件の背景となっている社会的問題に対してどういう注意を喚起するものであるか)。
  • 同種の事件の再発を防止するためにどういう対応策が可能か。
という形で注意を向けていかなければならない。「犯人像を探る」などというのは有害無益。フィクションの世界だけで楽しんでもらいたいものだ。
【本日の畑仕事】
時折、みぞれや雪が降り、何もできず。。
【スクラップブック】