じぶん更新日記

1997年5月6日開設
Y.Hasegawa

6月のインデックスへ戻る
[今日の写真] ルドベキア。たまにヒマワリと間違えられる。花期が長く、夏の花にぴったり。


6月21日(月)

【思ったこと】
990621(月)[一般]サミット、講演会、国際会議...人が直接集まることにどれほどの意義があるのだろうか?

 ドイツ・ケルンで開かれていた第25回主要国首脳会議(ケルン・サミット)が6/20に閉幕したという。最近は、G7とかロシアを加えたG8とか分かりにくいところがあるけれど、とにかく主要国首脳が笑顔で握手などしている写真を見ると世界は表向きは平和であり、ノストラダムス何ちゃらの大混乱も国際政治レベルでは起こり得ないように印象づけられる。このサミット、来年の夏には九州沖縄で開催されるそうだ。開催地としてはこれまでの最南記録になるのだろうか。

 こうした会議、平和の力をアピールするセレモニーとしては非常に分かりやすいとは思うけれど、これだけ情報伝達手段が多様化した現在、大統領や首相が直接会わなければ解決しなければならない問題というのはどれだけあるのだろうか、ちょっと疑問に思ってみたりする。実際のところ、本来の会議(ここでは政治的な会議)というのは、何らかの未解決の問題があり、白紙の状態から討論を重ねる中で合意を形成することに意義があるのだと思うけれど、サミットのような短期間の会合の中で新たに何かが決まるとはちょっと信じられない。おそらく事前に水面下の協議が重ねられており、合意に到らない部分は抽象表現で曖昧化して取り繕っていくのであろう。

 サミットの一番の問題は警備にお金がかかりすぎることだろう。来年度の九州沖縄サミットではどのぐらいの税金が使われるのだろう。各国首脳が自国の官邸からテレビを通じて会談したり、いま風にネット掲示板で協議したとしたら、かなりの節約になることは間違いない。そこで余ったお金を国費留学生の枠の拡大にあてたり、民間レベルの交流の援助、あるいは小中学生のホームステイ補助などにあてたほうが、はるかに有効であるようにも思う。

 ここで急に話題が変わるけれど、がくもんの世界でも人が直接集まることにどれほどの意義があるのか、しばしば疑問に思うことがある。例えば講演会に出席してたまに思うのだが、講演者の中には原稿をそのまま棒読みするような人がいる。その原稿は活字化されその場に居合わせなくても容易に入手できる。この場合の講演というのは、講演者の顔を拝みナマの声を聞くという点では確かに記念にはなるけれど、情報の伝達としては活字化された原稿があればそれで十分。わざわざ時間と交通費をかけて会場に出向く必要は無いように思う。

 講演会ではもちろん質疑応答の機会も用意されている。しかし、有名な先生の場合には最初から質問できる人が限られている場合もあるし、時間的にも1人1回、数分程度に限られることが多い。この程度ならネット上で日常的に討議したほうがよっぽど生産的であると言えよう。とすると、講演会のホンマの目的は、招くことで特別な関係を作りだしそのコネクションを利用して共同研究を始めたり自分の教室の大学院生を留学させてもらうためにあるのか?などと思ってみたりもする。

 さいきん流行りの大学の自己評価あるいは外部評価では、国際会議への出席回数とか招待講演回数などが研究者の業績として評価される傾向にあるようだが、ネットが発達した現在、生身の人間が多額の交通費をかけて出向かなくても済むような情報伝達のあり方をもっと追求してもよいのではないか。
【ちょっと思ったこと】

[Image]  6/19の朝日新聞科学欄によれば、全動物網羅の「動物系統分類学」(中山書店、全10巻)が7月中旬に24冊をもって完結するという。第1回配本から38年、セット価格で72万4500円。数億円にのぼる累積赤字を承知で「学術出版社の意地と誇り」で発行してきたのだという。

 この赤字覚悟の出版姿勢には敬意を表するものであるが、視点を変えてみると、なぜそこまでして活字印刷にこだわったのか少々疑問が出てくる。上記の会議や講演会の話題とも共通するけれど、いまは印刷本だけが唯一の学術資料の時代ではない。もしこれらをCD-ROM化したらどのぐらい経費が節約できるのだろうか。あるいはネット上の有料サイトとして公表してもよいだろう。

 ここでまた話題が変わるけれど、大学で公的に刊行される文書類の中にも必ずしも印刷・製本化する必要のないものが多いように思う。自己評価、外部評価、教官業績紹介、シラバス、大学案内、紀要...これらはみなCD-ROMとHPでの公開だけで済むものであるように思う。その証拠に、年度末に、大学構内のゴミ置き場を見てみるがいい。いかに大量の文書類が廃棄されていることか。(右側の写真は1998年3月26日の日記で公開した大学の資源ゴミ置き場の風景。上段は教官業績紹介本と大学史、下段は紀要類)。
【新しく知ったこと】
【生活記録】
【5LDKKG作業】
  • トウモロコシを1本収穫してみるが、まだ実が入っていなかった。
【スクラップブック(翌日朝まで、“ ”部分は原文そのまま。他は長谷川による要約。)】