じぶん更新日記

1997年5月6日開設
Y.Hasegawa

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[今日の写真] ビヨウヤナギ。丈夫で手間がかからないためだろうか、新しくできた道路脇や公共施設の植え込みでよく見かけるようになった。今が見頃。


6月12日(土)

【思ったこと】
990612(土)[心理]「意識」なき具体策が欲しい

 6/13朝日新聞岡山版によると、JR岡山駅発のマリンライナー(高松行き)で、一部の乗客が自由席に座ろうと列に割り込んだり、列の空いている指定席車両から乗り込んで隣の自由席車両に移動するというマナーの悪さが指摘されているという。同駅では駅員による監視やアナウンスを流しているものの、ラッシュ時には効果が薄く、「...結局は意識の問題でしょう」と嘆いているとか。

 その一日前の6/12の朝日新聞では、関西の旧福徳銀行(現なみはや銀行)で、かつての頭取や元大蔵官僚の役員ら3人が特別背任容疑で逮捕されたことに関して、「倫理崩壊 福徳でも」というような見出しが出されていた。

 この2つの記事に共通するのは、あたかも意識とか倫理というものが行動の根底にあって、それが欠如したり崩壊したときに悪事が生まれるという発想である。

 確かに、席に割り込む行動は「公衆道徳意識」が「低下」した状態であるし、特別背任も「倫理」が崩壊した状態であることは間違いない。しかし、これは具体的な状態を抽象的な形容しただけの言い換えであって、行動の原因を何一つ把握できていない。具体策が浮かばない時の単なる言い逃れと言ってもよいだろう。

 ところで最初の例で、高松駅から岡山駅に向かうマリンライナーに関しては同種の苦情は出ていないという。岡山駅から高松駅に向かう乗客が岡山に戻らないはずはないので、意識を云々するロジックを貫くならば、「JRの乗客は岡山駅では道徳意識を喪失し、高松駅でそれを復活させる」という奇妙な結論にたどり着くことになる。

 では、本当のところはどうなのか。それは、現状において不正な乗車行為を強化するような結果の随伴が許容されていることに原因があるのだ。具体的には、まずラッシュ時の混雑があり、ライナーの性格上、席をとらないと一時間ほど立ちっぱなしになるというネガティブな結果が想定され、そういう嫌子の出現を阻止する随伴性が強く働くからに他ならない。高松駅で同種の混乱が起きないのは、道徳意識が復活したからではない。不正な乗車行為を強化する随伴性が存在しないからそれが起こらないだけのことである。結局のところ、岡山駅での問題行動を改善するには、
  1. 指定席車両と自由席車両の間のドアを発車までロックしておく。
  2. 列にロープをはって割り込みを阻止する。
  3. 万が一割り込んだ者が居た時にはそれを強制的に排除するような要因を配置する。これは1〜2回の結果を与えるだけで弱化の効果あり
という月並みな対策を励行するしか無いだろう。旧福徳銀行の問題も、その前日の日本長期信用銀行の旧経営陣逮捕の問題も同様。倫理を構築すれば防止できるのではない。それらの背任行為を強化するような随伴環境を断ち切るシステムを作ることが肝要。道徳意識とか倫理というのは、具体的な不正行為が弱化される体験が反復されそれが般化されるなかで自然に形成されるものであると思う。
【ちょっと思ったこと】
  • 6/12午後は準公務(往復キップ支給)の会議出席のため新大阪まで往復。新大阪駅前は、JR在来線と新幹線のホームが交差しており、道路も入り組んでいて、危うく道に迷いそうになった。

    新大阪駅では、在来線側のコンコース奥にある、うどん&そば屋で昼食をとった。時たま利用するけれど、食券を買ってから30秒以内で注文した品が出てくるスピードの速さにはいつも驚かされる。TVチャンピオンで「注文早受け選手権」があったら確実に優勝するだろう。このコンコース内ではJR関連会社と思われる職員が、1000円均一で腕時計、財布、眼鏡、バッグなどを売っていた。会議参加に必要な「折り畳み式老眼鏡」と、自分が使う財布、それに、家族の土産用にキーホルダー型あるいはペンダント型の時計を3個購入。

    岡山と新大阪の間は、ひかり号で1時間にも満たない近さ。東京の実家から神田の古本屋まで往復するのと大して変わらない時間である。交通費さえ安ければ、もっと頻繁に往復できる所である。

  • 6/13の朝日新聞「天声人語」に「君が代」の「君」の意味についての歴史的経緯が簡潔にまとめられていた。これに関連して、だいぶ前に新聞の投書欄に歌詞の出だしを「君が代」の代わりに「民が世」として歌ったらどうかという意見が寄せられていたことを思い出した。「国旗・国歌」法制化をめぐっては、「国歌を法律で定めることが必要かどうか」という主張と、「君が代が国歌として適切であるかどうか」という異なる次元の主張が混在してそれぞれ対立しており、さらには今回の法案提出決定の背景には、公明党や民主党を分断する政治的意図が見え隠れしていると言われている。このあたりで、論点を整理する目的で、「君が代は..」の部分を「民が世は..」に言い換えることに賛成かどうかなどという議論を展開することも意義深いように思う。もっとも『新明解』によれば「民」とは
    1. 国家・社会を組織する(一人ひとりの)人。人民。
    2. (主君に従属する存在としての)臣民。
    という2通りの意味がある。2.の意味に解釈されてしまったら、「天皇の治世」の意味での「君が代」も「民が世」も同じ意味になってしまうので必ずしも論点の整理にはならないかも。
【生活記録】
  •  朝方、運動公園で岡山市内の小学校高学年男女の陸上競技大会予選。うちの娘が100m×4リレーと100m競走に出場するというので、日記をアップしてから夫婦で炎天下の競技場に出向く。
     リレーではアンカーをつとめていたが、バトンを受けた時から最下位で68秒台という残念な結果に終わった。男子の同競技では53秒台の程度の記録も出ていた。
     続いて行われた100m予選は8人中4位でこれも決勝には残れず。8人×11組のなかで上位8名しか残れないということなので、topにはほど遠い結果だが、家の中でゴロゴロしていて何ひとつ練習していないのだからやむを得ないところだ。
     そういえば私も中学2年ぐらいまでは結構速く走れたものだが、数年前に行われた町内会運動会70m走では最下位という不名誉な結果に終わっている。
【5LDKKG作業】
  • キュウリ2本収穫。観葉植物移動。メロン3号見つける。
【スクラップブック(翌日朝まで、“ ”部分は原文そのまま。他は長谷川による要約。)】