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9月20日(日)

【思ったこと】
980920(日)[心理]20日 京都で見たこと思ったこと(2):「同じ」と「似ている」はどれだけ似ているか
 京都のセミナーは「等価性」がテーマであったが、この前提に関わる問題として「同じ」ということと「似ている」ことの違いが少々議論になった。なお、以下の議論は、とうぜん、認知、発達、比較心理に関するもので、数学や論理学の議論では無いことにご留意いただきたい。
  • 演者の一人が出した事例は「日本はアメリカに似ている」と言えても、その逆の「アメリカは日本に似ている」とは言えない。つまり「A→B」は言えても「B→A」は必ずしも成り立たないということだ。
  • 「似ている」では三段論法「A→B、B→CならばA→C」も成り立たない。例えば「マジカル頭脳パワー」という番組でよくやっていた(る?)「○○と言えば△△」を考えていただくと分かるけれども、「バナナと言えばイチゴ」(果物という点で似ている)、「イチゴと言えば生クリーム」(ケーキの上に載せるという点で似ている)とは言えるが、そこから「バナナと言えば生クリーム」と三段論法は成り立たない。
  • 「似ている」というのは文字通りファジーな概念であって、実験的に操作する時には十分な注意が必要だ。特に、2つの対象が特定の次元でほぼ同じ量的特性を持っているという意味で「似ている」と判断される場合は、次元を超えた推移律は決して成り立たない(上記のイチゴ、生クリーム、バナナ)ということに留意しなければならない。「何が似ている」のかを明確にしておく必要があるだろう。
  • いっぽう、「同じ」という意味には、特定の次元で量的特性が一致している時に使われる場合(例:「あなたと私は年が同じだ」)もあれば、同一性(「あそこを歩いている怪しい男は、内村と同一だ」という場合がある。前者の場合には、「何が同じ」かを明確にしないと種々の論理的な関係は成り立たない。
  • 子供の認知発達や、動物の認知を研究する場合には、実験者が頭デッカチになっていろんな実験操作をしても、被験児(被験体)側が全然違う枠組みでそれに応じていくということがありうる。「同じ」とか「似ている」という実験では特にそのことに気をつけなければならない。
【ちょっと思ったこと】
  • 9/21朝のNHKテレビで、パワーシャベルの先に筆をつけて習字に挑戦するグループを紹介していた。いつもながら、あの機械を使いこなしている人の器用さには感服するが、「工事」とか「建設」などという文字を書き上げてしまうとは凄い。
【新しく知ったこと】
【夕食後の夫婦の散歩】妻の歩数で4933歩。
  • 大学の動物実験室までレタスを運び、そこから昔住んでいたアパートへ。
  • 21日の朝に粗大ゴミの収集があるため、ゴミ集積場には家具類や自転車、石油ファンヒーター等が大量に持ち込まれていた。
  • その道のプロの方のほか、留学生たちまでそこに集まり、好みのゴミを持ち出していた。朝の収集直前まで夜通し続く模様。
【生活記録】
  • 津島学区の町内会連合会主催の運動会が津島小学校にて。私はあまり関心がわかず、タダ弁当だけもらってさっさと研究室へ。毒入りカレー事件のことがあり、弁当と言えども安心して食べられないのが何とも情けないことだ。
  • 夜22時頃、天体望遠鏡をベランダに出して木星と土星の観察。木星は縞が2本ほど見えたほか、西側からエウロパとイオ、木星をはさんで東側にガニメデさらにカリストがくっきりと見えた。土星もちょうど良いぐらいに環が開いてきていて子どもたちの評判もまあまあであった。
【スクラップブック(翌日朝まで、“ ”部分は原文そのまま。他は長谷川による要約。【 】部分は簡単なコメント。)】
  • 防衛庁背任事件で、新たにNEC子会社のニコー電子の返納金についても圧縮の疑惑。
  • 男子マラソンで10年ぶりに世界記録更新。ブラジルのダコスタが2時間6分5秒。
  • マグワイヤの本塁打65本に。