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8月1日(土)

【思ったこと(1)】
980801(土)[言語]的を射ずに的を得たサイト
 ある有名なお方が「全身全霊を傾け難局を乗り切っていきたい」と言うべきところを「全知全能を傾け難局を乗り切っていきたい」と言い間違えたことが日記界でも少々話題になっているようだ。元の資料が無いのでどこで発言したのか、そのあと訂正したのか全く気づかずに話を終えたのかは分からないが、この種の、よく似た言葉を取り違えるということは日常生活では結構あるのではないかと思う。
 同じような例としては、「名誉挽回」を「汚名挽回」、「役不足」を「力不足」とするなどの混同が知られているが、「的を射る」と「当を得る」を合成した「的を得た」という表現は特に「誤用頻度」が高いのではないかと思う。そこで、さっそくgooで検索してみる。
 まず「的を得る」あるいは「的をえる」という表現が含まれていたサイトは前者が12、後者が1と少なかった。しかし「的を得た」という連体形になると数が大幅に増えて495、「的をえた」の13と合わせて500を超えることが分かった。これに対して国語的に正しい表現である「的を射た」は21、「的をいた」はゼロ、つまり圧倒的に「誤用」のほうが多いという結果になった。ま、言葉というのは時代の流れと共に用法が変わっていってあたりまえであり、「見れない」、「着れない」、「出れない」などの「ら抜き表現」を親が使うようになってきた時代であるから、「的を得た」表現も一概に悪いとは言えない。ただ、私のような頭の古い人間から見れば、やはり的は射るものであって得るものではない。この語源にこだわる限りは、「的を得た」という表現はどう見ても「的を射て」いない表現であるように思われる。

 さて、「的を得た」表現を使っている495のサイトのごく一部をちらっと覗いてみた。権威のありそうなところでは、某易断総本部のページのなかの易者紹介のところに、「あらゆる視点で物事を捉え、冷静かつ適確な指導と的を得た鑑定と評判。」との表現があった。同じ様な占い的なページの中に、的を得た答えが返ってくる心理テストというのもあり。いずれも「的を射た」判断は難しいでしょうなあ。

 それにしてもgooの検索は面白い。「的を得た」の誤りを指摘した意見が、本家・リトラバ日本語道場/改という面白い投稿サイトに掲載されていた。そのほか、「ac.jpな」ページの中にも、某教官に内緒で作ったらしいひ・み・むのページとか、授業の嫌いなきょうぢゅのページなども見つかった。

 ところで、そもそも何でこの「的を得た」表現にこだわるのかと言えば、匿名日記作者の同一性を検討するデータとして、大いに役立つ可能性があるからだ。つまり、「的を射た」表現がゼッタイに正しいと考える人は、自分の日記では決して「的を得た」表現は使わないはずであろう。そこで、もしある匿名日記において正しく「的を射た」表現が使われ、一方、同一人物が書いているのではないかと噂される実名日記のほうで「的を得た」表現が使われているとすれば、意図的な隠蔽で無い限りは、その2人は別人であろうということになる。ちなみに「的を得た」と「日記」を両方含むサイトは全部で62にのぼっていることが分かった。調査結果は今回は非公表ということで...。
【思ったこと(2)】
980801(土)[日記]7月の「日記猿人界」
 登録日記数と、実質数、ランキング不参加数の推移のみを示す。昨年分については6/1の日記を参照されたい。7月登録数、実質増加数とも昨年7月以来で過去第2位(第1位は本年4月)の多さ。夏休みに入って一段落したせいだろうか。
調査年月日登録数前月比実質数前月比存続率ランキング
不参加数
不参加率
9802011327+981137+850.8572060.181
9803031421+941217+800.8562190.180
9803261511+901295+780.8572270.175
9804301638+1271409+1140.8602460.175
9805311738+1001498+890.8622520.168
9806301838+1001588+900.8642620.165
9807311964+1261701+1130.8662790.164

7月の月間得票ランキングTop10は、相変わらす女性名日記作者が圧勝。ホリウチさんは第9位で14カ月連続Top10入りを死守した。「お茶の水」、「れっきい」などが毎日更新するようになると、8月は男性名日記作者がついにゼロになるという可能性もある。登録日記のほうはおそらく今月の早い時期に2000番を突破する見込み。
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