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7月29日(水)

【思ったこと】
980729(水)[教育]大学選びのヒント(その1)


 7/28頃の日記猿人新作リストで「文学部からあこがれの理工系へ」という一行コメントをみかけた。文学部の教員としては少々気になるコメントだったのでさっそく日記を拝見し、掲示板などにも書き込ませてもらったが、逆に、「何を目的に教えてらっしゃるのか」などと問われてしまい、掲示板での数行程度の書き込みでは追いつかなくなってきた。ちょうど、うちの大学では8月6日と7日に受験生向けの公開説明会が開催される。今年度は私は行動科学科の幹事をつとめているので、演壇から学科の説明をしなければならない。この機会に、いろいろと自分の考えをまとめてみたいと思う。
 きょうのところは文学部ということを離れて、一般的な大学選び、学部選びのことから書き始めようと思うのだが、じつは私自身、理系で受験して2回生になる時に文学部に転学部したという過去がある。必ずしも心理学をゼッタイやりたくて志望学部に入った人間では無いということを白状しておきたい。

 さて、受験生が進路選択のさいに参考にするものとして、受験産業各社が出版している大学ガイドのようなものがある。これらは、入試科目とか難易度の資料としては役立つかもしれないが、入学後に何が勉強できるかという点では、あんまり役に立たないと思う。
 じっさい、私の所にも大手の塾のような所から研究・教育内容を問い合わせる長大なアンケートが送りつけられているが、残念ながらそういうものに答えるだけの時間的余裕がない。このほか、そういう会社が主催する大学説明会にも学部として参加を要請されたこともあったけれど、「一私企業を利するような企画には積極的には応じない」という意向が強く、うちの学部では誰も代表を出していない。
この日記でも以前にとりあげた「大学ランキング99」(朝日新聞社)にもかなりいい加減な記述がある。「教授陣」のところなどは代表教授ではなくて、どうやら「アエラムック」の執筆者の名前が載っている模様。
 では、受験生としてどうすればよいのか。公式には上にも紹介した大学の公開説明会に出てもらうのが一番だと思うけれど、これだけでは各学科20分程度の説明しか聞くことができない。大学のHPも、まだまだ不十分。結局は、先輩に聞くとか、直接教官研究室に飛び込んで話を聞くとか、地道に情報収集をするしかないという気がする。
 時間が無いので明日以降に続く。
【ちょっと思ったこと】
  • 蔵相に内定した宮沢喜一氏の年齢については、TVや新聞記事ではあまり報道されていないようだが、どうやら78歳になっておられる様子だ。ラジオのニュースによれば小渕総裁は「宮沢氏に受諾してもらえないとこの内閣の存在価値が無い」というようなこと表明されておられたようだが、78歳と言えばかなり高齢。少なくとも大学教授であれば一線から退いて俳句三昧、あるいは自伝執筆とか自著の全集の完成に力を注ぐ年である。
    私が学生の頃、京都では蜷川虎三氏が長期にわたって知事に選ばれており、最後の選挙の時は確か78歳、健康不安デマが流されたりしたと記憶している。東京都の鈴木前知事もずいぶん高齢であったようだ。ま、大臣と言っても、仕事の大半は秘書や次官以下が段取りしてくれると思うので、答弁の原稿さえ読めればつとまるのかもしれないけれど、この方無しで存在価値がなくなるような内閣というのは少々心もとない。
    それにしても、蔵相就任を最後まで固辞した加藤紘一氏はしたたかなところがある。橋本首相時代からずっとそうだったが、自民党を本当に動かしているのは加藤氏ではないかと気がする。隠れシンパとしては喝采をおくりたいところだが、あまりにも加藤氏の筋書き通りに事が運びすぎているのがかえって不安だ。
  • 京大霊長研のチンパンジーのアイが29日0時すぎに出産したが、死産であったという。アイというのは人工知能の「AI」にちなんで名づけられた名前であり、物や個人の名前、色、数から簡単な動詞に至るまで数々の人工言語を習得していることで知られている。もし出産が成功していれば、子育てを通じて自分の学んだ知識を子供に伝える過程が観察できたかもしれない。たいへん残念なことである。
    きのうはたまたま、広島で、凍結精子により人工授精したチンパンジーが出産後に死亡したというニュースが伝えられていた(赤ちゃんは元気)。たまたま不幸なニュースが重なったわけだけれど、人工授精による出産そのものについては、これまでにも多数の例があり決して危険では無いという。もっとも人間の場合と違って、チンパンジーは自分の子供が欲しいかどうかを表明することができないのがツライところだ。
【新しく知ったこと】
【リンク情報】
【生活記録】
  • 娘は、転校した友達の家(鳥取県米子市)まで昨日から泊まりに行っている。息子は今週いっぱい、中学の補習と野球部の練習の日々。
【家族の出来事】
【スクラップブック(翌日朝まで、“ ”部分は原文そのまま。他は長谷川による要約。【 】部分は簡単なコメント。)】