当月のインデックスへ戻る

昨日の日記

7月1日(水)

【思ったこと】
980701(水)[教育]PTA講演会「子どもへの暴力防止」(その3)「あんしん」
 昨日の日記の続き。3つの大切な権利のうちの「あんしん」について。
 そもそも、「あんしん」とはどういう状態を言うのだろうか。講演では「どんなときにあんしんするか」について参加者自身の声を聞いていた。会場にはお母さん方が多かったので、家庭内の一場面(たとえば「子供の寝顔を見るとき」)を「あんしんを感じるとき」とする声が多かったようだ。

 私の場合は、元来TypeA人間(←血液型のA型とは全く異なる)なので、いつもセカセカしていて安心を感じる時が無い。しいて言えば、大学構内を歩きまわって花の写真を撮る時などは比較的リラックスした状態になっているけれど、その日の仕事の量など考えると「あせり」を全く感じない瞬間というのはあり得ない。かといって、考えてもしようがないようなことまではくよくよしないから、常に不安がつきまとっているというわけでもない。

 行動分析学的では、「あんしん」というような曖昧な表現は使わなかったと思う。しいて論じるならば、まず、「不安」を定義し、その背反事象として「安心」を定義することになるのかもしれないと思う。
 (健常なレベルで)不安を引き起こす状況を思いつくままにあげてみると、
  • 恐怖反応を誘発するような無条件刺激や条件刺激が頻繁に出現している状況
  • 嫌悪的事象(有害事象、恐怖反応を引き起こす事象などを含む。以下同様)が恒常的に出現しており、それに対して有効な逃避反応を自発できない状況
  • 近い将来に嫌悪的事象の確実に出現するにもかかわらず、それに対する有効な回避反応を自発できない状況
  • 自発される行動に対して、嫌悪的事象が不合理なかたちで随伴する状況
 行動分析学では、死人でもできることは行動とは呼ばない。また行動は常に具体的に定義されなければならない。この基準を「不安」の定義に準用した場合、上に述べた諸状況はいずれも具体的であり、また死人が「不安」を感じることはできない。ところが、その背反事象となると、必ずしも具体的とは言えず、死人でもできる内容が多数含まれているように思う。こういう点からいうと、「あんしん」という状態を明確に定義することは難しい。となれば、「あんしん」を積極的能動的に実現していく方法を見つけることはさらに難しいということになる。

 以上のほか、全く不安のない状況、完全に「あんしん」で満たされた状況というのが、ある人間の発達成長の過程にマイナスに作用しないかという疑問も残る。つまり、自己変革や将来に向かっての努力には軽度の「不安」が不可欠であるという考え方だ。これについては機会を改めて論じることにしたい。

 いずれにせよ、講演のもともとの趣旨は、権利としての非常に基本レベルの「あんしん」が極度に侵害された状況にどう立ち向かうかというところにあった。「あんしん」自体が曖昧であっても、「あんしんの侵害」は非常に具体的であるから、上記のようなツッコミを入れるべき問題では無いと言えるかもしれない。明日以降に続く。
【ちょっと思ったこと】
  • 1981年11月18日に起こったロサンゼルス銃撃・妻殺害時件で東京高裁は1日、三浦和義被告(50)に対して、一審の無期懲役判決を破棄した上で無罪判決を言い渡したという。多くの日記作者がこれについて意見や感想を示されることと思う。事件の詳細を全く知らないので私自身は何とも言いようがない。マスコミに踊らされただけの冤罪事件なのかもしれないが、かといって、甲山事件での検察の態度とか、サンディエゴ日本人教授父娘射殺事件(1996年5月7日)で妻の静江さんの人権が著しく侵害された誤報問題などに比べると、被告に対して同情したいとか支援したいという気持ちが起こらないというのが率直なところである。
    昔のことなのですっかり忘れてしまったけれど、そもそもアメリカ国内で生じた事件なのに、なんて日本の検察が起訴して日本の裁判所が判決を出さなければならないのはなぜだったのだろうか。日本国内で外国人が同種の被害にあった場合には、仮に被疑者も外国人であったとしても日本の警察が捜査して国内法で裁くのではなかったかな。
    もしアメリカでちゃんと捜査されていたら、確か、司法取引が認められていたはずだ。これを活用して、(もし真犯人が複数であるのなら)犯人の一人と取り引きすれば、もう少し物的証拠が出てくるように思ったのだが、どうなっているんだろうか。
【新しく知ったこと】
  • 7/2朝のNHKニュース5時台によれば、7/2のうちに台風が発生しなかった場合、観測史上最も遅い記録が樹立されることになるそうだ。
  • NHK教育テレビ「趣味悠々・ホームページはむずかしくない」という番組が7/1の20時から始まったようだ。朝そのことに気づいていたが、20時頃は他のことをしていて見逃してしまった。7/2の12時から再放送があるというので、録画予約でもしておこうか。
【リンク情報】
【生活記録】
  • 大学の南福利施設が完成し、7/1から生協のCOOPショップが営業を開始した。チラシによれば、初日には「メンズシェーバー18000円の品が3本限り1980円」や「ビデオデッキが1台限り15800円」など、目玉商品の売り出しがあるという(←あんまり生協らしくない企画だなあ)。
    そんななかで、前から欲しいと思っていた体脂肪体重計が「9980円を2台限り4980円」で売り出されていた。

    新施設の運営には私自身も関与しているので開店時の様子を把握する必要はあったが、いくらなんでも教官が勤務時間中に行列に加わって目玉商品を買うわけにはいかない。そこで妻に来て貰って購入を頼む。しかし、妻は、学生がワイワイ並んでいる様子を見て、おばさんの自分が一人だけ並ぶのは恥ずかしいといって、遠巻きに眺めるだけ。
    そのうちに店長が並んだ順番に希望商品を聞き取っていく。学生があんなもの買うわけないからきっと売れ残るだろうと思っていたが、結局、先頭から5人目ぐらいで早くも売り切れ。学生なんぞが若い時から体脂肪体重計なんか使わなくていいのに、まったくぅ。
【家族の出来事】
【スクラップブック(翌日朝まで、“ ”部分は原文そのまま。他は長谷川による要約。【 】部分は簡単なコメント。)】